投資戦略
2026年9月5日 16:55
投資戦略をアップデートします。
■相場観
9月はボラティリティが増す展開を予想します。9月8日から、たくさんのIPOが動き出すと思われますが、SBエナジーに代表される「悪いディール」が、アンソロピックに代表される「良いディール」より先にロードショーをキックオフすることに対し、私は危惧の念を抱いています。なぜならそれらの悪いディールが苦戦すると、本来、問題なく値決めできたはずの良いディールもリスクに晒してしまうからです。
■アンソロピックの売上高予想を下方修正
私は8月15日の「投資戦略」で2026年のアンソロピックの年間売上高を800億ドルと予想しました。しかし足下の同社の売上高モメンタムは、やや衰えており、どうやら710億ドルになる公算が大です。それにPSR30倍を当てはめ、IPO時価総額は2.13兆ドルを予想します。これはスペースXのIPO時の時価総額1.77兆ドルを超える過去最大のディールになります。
■WeWorkの忌まわしい思い出
現在発表されている世界のAIデータセンター建設の費用総額は7兆ドルと言われています。するとこれは「アンソロピックの年間売上高100個分」に相当するわけで、AIのあらゆる企業、サービスの売上高をかき集めたところでぜんぜん届きません。その不足分は資本市場から株式や社債の販売によって調達することになるわけです。
それはレイバー・デー移行、株式や社債の発行がうまくいかない場合、AIブームも終焉することを意味します。なぜならデータセンターが建設できなくなるから。
したがって、これらの資金調達は慎重に行うべきだと思います。
私は以前、投資銀行でそういう仕事をしていて、IPOのマーケティングに際しては、「右足、それとも左足を先に出す?」という順番を考える仕事をしていました。その経験から言わせてもらえば、今年の9月は「しんどい」と思います。
一例として2019年はソフトバンクの投資先WeWorkが9月のレイバー・デー明けにロードショーに出ようとしたのですが、売上目論見書がとても醜悪な内容だったので機関投資家が仰天し、ロードショーのスケジュールが組めないほどバイサイドからボイコットされた経緯があります。
その結果、他のIPOもとばっちりを受け、40の案件が延期を余儀なくされました。
今年のレイバー・デー明けも、WeWorkに比する貧相な案件が紛れ込んでおり、そのマーケティングのキックオフがアンソロピックより先になっている点は、とてもハラハラさせられます。
■コア銘柄
BRAC BANK(バングラデシュ現地株)
ビザ(V)
フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)
モエヘネシー・ルイヴィトン(LVMUY)
ポーランドETF(EPOL)
■ブレイクアウト銘柄
トーム(TRMD)
SMCP(フランスSMCP)
■バリュー銘柄
ケリング(フランスKER)
OTP(ハンガリーOTP)
■予想
2026年末のS&P500のターゲットは7250を予想します。
2026年末のドル円は146円を予想します。(旧予想160円)
2026年末の10年債利回りは4.85%を予想します。
2026年末のフェデラルファンズ・レートは4.00%を予想します。
2026年末の失業率は4.2%を予想します。
2026年末の消費者物価指数は3.40%を予想します。
2026年末のGDPは+1.50%を予想します。