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ラグジュアリー・グッズ市場

2026年7月19日 05:30

世界の消費者にとってラグジュアリー・グッズはアスピレーション(上昇志向)を体現するものであり、個人の帰属や文化的洗練度をシグナルする重要な小道具となっています。

ラグジュアリー・グッズ市場は世界全体で4,100億ドル前後だろうと言われています。
 
内訳は;
高級アパレル、シューズ 1,200〜1,500億ドル
ハンドバッグ 800〜1,000億ドル
ジュエリー 700〜900億ドル
香水 700億ドル
高級時計 500〜700億ドル
オートクチュール 数十億ドル
 
です。
 
ハンドバッグはとりわけパーソナル・ブランディングに欠かせないアイテムです。なぜなら口紅と違いハンドバッグは誰の目にもどのブランドかわかりやすく、したがって自分がどのブランドを支持しているか? をアピールできるからです。
 
なお化粧品、スキンケアはパーソナル・ラグジュアリー・グッズには含まない場合もありますが、それぞれの市場規模は;
 
化粧品 4,000〜4,500億ドル
スキンケア 1,200億ドル
 
となっています。
 
ロレックスの年間売上高は100〜120億ドル、カルティエのジュエリー売上高は100億ドル前後、エルメスのハンドバッグだけを抽出すると年間売上高は100億ドルという感じで、意外に市場は小さいことがわかります。これはこれらの企業がブランドのイメージを保つため商品の供給をわざと抑えていることも関係しています。
 
オートクチュール(デザイナーの新作の注文生産)は世界全体で数十億ドルの売上しかなく、顧客数も全世界で数千人です。つまりファッション・ショーは「広告宣伝費」にほかならず、実際の利益は大衆に対して販売するハンドバッグ、時計、ジュエリー、香水、化粧品などから出ています。
 
また最近は中古市場がブームとなっており、500億ドルを超える市場に成長しています。
 
代表的なグローバル・ブランドの創業の年を振り返ると;
 
モエ・シャンドン 1743年
ヴァシュロン・コンスタンタン 1755年
ヴーヴ・クリコ 1772年
ブルックス・ブラザーズ 1818年
エルメス 1837年
カルティエ 1847年
ルイヴィトン 1854年
シャネル 1910年
プラダ 1913年
バレンシアガ 1917年
グッチ 1921年
フェンディ 1925年
フェラガモ 1927年
ディオール 1946年
ジバンシー 1952年
ヴァレンティノ 1960年
ロベルト・カヴァリ 1970年
アルマーニ 1975年
ヴェルサーチェ 1978年
ドルチェ&ガバナ 1985年
トム・フォード 2005年
 
という感じになります。カルティエは世界の王様御用達の宝石メーカーでしたし、ジバンシーはオードリー・ヘップバーンと切っても切り離せない関係がありました。つまりラグジュアリー・ブランドはその時々の世界の思潮や文化をファションを通じて体現しているのです。
 
また業界に影響力を与えたデザイナーという点では;
 
ガブリエル・ココ・シャネル
イヴ=サンローラン
カール・ラガーフェルド
クリスチャン・ディオール
クリストバル・バレンシアガ
 
などがとりわけ重要です。
 
ラグジュアリー・グッズの市場は世界の人々が裕福になるにつれて拡大しており、近年ではとりわけ中国や南アジアなどの市場が重要性を増しています。現在のグローバル・ラグジュアリー市場のシェアは;
 
中国 50%
米国 11%
日本 5%
西欧 5%
その他アジア 15%
上記以外 13%
 
となっています。
 
そこではグローバルにリーチできる大企業の方が有利だということもできます。
 
ラグジュアリー・グッズ市場が、LVMH、ケーリング、リシュモンなどのコングロマリットによって寡占されている理由はここにあります。
 
とりわけ新興国では、近年、女性の社会進出が著しいです。それは、これらの女性が消費力を持つことを示唆しています。
 
さらに平均結婚年齢はどんどん上昇しており、最近では男性は30歳、女性は28歳くらいにならないと結婚しない場合が増えています。それは少子化を意味します。
 
それは若い人々の購買力がラグジュアリー・グッズへと向けられる可能性が高まることを意味します。
 
さらにインスタグラムをはじめとしたソーシャルメディアは世界の若者の嗜好を同一化させ、ブランドに対するアウェアネスをUPする働きもあります。これらのことから、新興国の若者が豊かになる一歩手前の段階から、ラグジュアリー・グッズのマーケットはテイクオフすることを意味します。
 
ある意味、新興国の消費者が力をつけてきている状況に投資したいのであれば、新興国株を買うより、LVMHのようなラグジュアリー・ブランドの株に投資したほうが良いです。