投資戦略
2026年8月29日 05:06
投資戦略をアップデートします。
■ジャクソンホール
8月28日(金)、ケビン・ウォーシュFRB議長がジャクソンホール経済シンポジウムでスピーチしました。
先の連邦公開市場委員会(FOMC)でのスピーチがクレディビリティに欠けるスピーチだったという評価だったことを受けて、今回は「本気を出した」スピーチだったと言えます。その結果、これまでよりもずっとタカ派なスタンスが打ち出されました。
これはイラン戦争の雲行きが変わったとか実体経済の見通しに変化が出たということではなく、いままでトランプ大統領に気兼ねしていたウォーシュが、いよいよ自分の威信を賭けて「けじめ」を示さざるを得なくなったという風に理解できます。
この結果、9月16日のFOMCでの利上げ確率はスピーチの前の35.4%から一気に57.7%にジャンプしました。
■長期金利と為替
これを受けて米国10年債利回りは4.733%にジャンプしています。この水準は4回試された水準で、もし4.75%を上に抜けるようなら、エネルギーが溜まっている関係で、大幅に上昇するリスクがあります。
市中金利の急激な上昇は、もちろん株式にとってネガティブな展開です。
28日は長期金利だけでなくドル指数(DXY)も0.50%動き、99.663に達しました。
このことはスコット・ベッセント財務長官が打ち出したツイスト・オペレーションが完全に裏目に出たことを示唆しています。
ウォーシュ議長、ベッセント財務長官の両方の采配に対し市場が懐疑的に見始めているということは、政策当局は市場の制御力を失う寸前と考えることもできます。ここ1から2週間が正念場というわけです。
■IPOに暗雲
上に述べたような市場環境はIPOのマーケティングをやりにくくします。
私はレイバーデー明けに予定されているアンソロピックのIPOは無事値決めに持ち込めるという考えを変えていませんが、それ以外に予定されているIPOはしょぼい案件が多く、とりわけAIデータセンター絡みの案件はポンコツな案件のオンパレードだと思っています。
問題は、これらの財務的にグラグラした企業のIPOがもし頓挫した場合、AIインフラ投資のストーリー自体に悪影響が出るリスクがある点です。
その場合、米国市場だけでなく、世界的にリスクオフになるシナリオもゼロとは言えません。
いまはハチャメチャ感が出る一歩手前でなんとか踏みとどまっている状況です。
■投資戦略
すべては10年債利回りが4.75%を死守できるかにかかっています。
金利がこれまでのレジスタンス(4.75%)を越え、スルスル上昇する局面では、いわゆるロング・デュレーションの投資対象はダメです。
具体的にはテーマ株(AI、量子コンピュータ、セキュリティ、宇宙、ロボティクス、ゴールドなど)は避けるべきです。
ドルは急激にドル高になるリスクもあるため、その場合、世界に投資されている資金が米国にリパトリエーションされる可能性が強いです。欧州株とか新興国株、さらには日本株も、ひとたまりもないと思います。
つまり、世界的に株式が荒れるリスクがあるのです。
このような歓迎せざるシナリオが現実のものとなるかどうかは、まだわかりません。
そのカギを握っているのは米国の10年債利回りで、これが4.75%を上にぶち抜ければ「万事休す」、逆にいまの水準で持ちこたえれば、いままで通り9月の一連のIPOに期待をつなぐことが出来ると考えます。
■コア銘柄
BRAC BANK(バングラデシュ現地株)
ビザ(V)
フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)
モエヘネシー・ルイヴィトン(LVMUY)
ポーランドETF(EPOL)
■ブレイクアウト銘柄
なし
■バリュー銘柄
ケリング(フランスKER)
OTP(ハンガリーOTP)
■予想
2026年末のS&P500のターゲットは7,250を予想します。
2026年末のドル円は160円を予想します。
2026年末の10年債利回りは4.85%を予想します。(旧予想4.50%)
2026年末のフェデラルファンズ・レートは4.00%を予想します。(旧予想3.75%)
2026年末の失業率は4.2%を予想します。(旧予想4.3%)
2026年末の消費者物価指数は3.40%を予想します。(旧予想3.80%)
2026年末のGDPは+1.50%を予想します。