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SMCP

2026年9月5日 05:11

SMCPは「マージ(Maje)」、「サンドロ(SANDRO)」などのブランドを展開するフランスのアパレルメーカーです。

同社の洋服はそのスタイリッシュさでコアなファンを獲得しています。若い子から大人の女性まで、幅広い層が無理なく着られるデザインを目指しています。
 
同社の製品の位置づけはラグジュアリー・ブランドのすぐ下で、先日紹介したアリツィアより上です。言い換えれば、背伸びすれば買えないことはないけれど、しょっちゅう買える洋服ではないということです。
 
2025年の売上高は12.17億ユーロでした。同社は自社店舗と百貨店の「店舗内店舗」の両方を展開しています。このうち「店舗内店舗」に関してはおよそ出店できる百貨店はほとんど網羅してしまったので新しい成長機会を模索する必要があります。最近米国では百貨店がどんどん閉めていることもこの手法に依存することのリスクを浮き彫りにしています。
 
同社は一時、LVMHの投資子会社であるLキャピタルから資本出資を受けました。これは同社が自社店舗を展開する上で貴重な資本を提供しました。しかし同社はLVMHのポートフォリオ・メゾンという位置づけではなく、それよりワンランク下の扱いでした。
 
その後、Lキャピタルが保有していた同社株はプライベート・エクイティのKKRに買われ、さらにKKRはSMCPを中国の山東如意に売却しました。山東如意はSMCPを「中国のLVMH」に育てる意図で積極展開しましたがそれが裏目に出て同社の持株会社、トップ・ソーホーがデフォルト、その担保にSMCP株が供与されていた関係でトップ・ソーホーの債権者にSMCP株の53%が譲渡されました。
 
これは創業者の目線では「自分たちがせっかくサンドロ、マージという魅力あるブランドを確立し、Lキャピタルという洗練された投資家を招き入れ、世界展開を開始し、新規株式公開までこぎつけたのに今、SMCPの株式の過半数は債権者ならびに管財人たちに担保としておさえられている」という不本意な状況になっているのです。
 
SMCPは投資銀行ラザードを立て、このブロックを一括して買ってくれる身売り先を模索中です。なおフランスのTOBのルールでは発行済み株式数の30%を取得した投資家は残りの70%もテンダー・オファーしないといけない決まりになっています。
 
まとめるとSMCPはサンドロとマージという良いブランドを持っていますが、同社株のオーナーはめまぐるしく変わり、せっかくの良いブランドがそのポテンシャルを発揮できない状況が続いてきました。成長に向けた資本を調達できないので売上高成長率は低いですが、利益率は年々改善しているし、負債もかなり返済が捗りました。
 
同社の株はフランスに上場されており、インタラクティブ・ブローカーズ証券で購入することができます。