IPOのグリーンシュー・オプションの運用の実際を観察する好機! クォンティニュームのトレードに注目
2026年6月5日 21:21
IPOのグリーンシュー・オプションというのが実際にどう使われるか証券会社に勤めている人ですら知らない人が多いです。今日、それを観察する好機が到来しているので今我々の眼前に展開している実例でそれを勉強してください。その銘柄はクォンティニューム(QNT)です。
クォンティニュームは昨日、つまり6月4日に取引を開始しました。
今回のIPOの発行条件は、2,800万株が60ドルで値決めされました。
上場初日は午後1時38分頃に68ドルで取引が開始されました。しかしその後、値を消し、大引けは$60.38で、現在の寄り前気配は$58.50となっています。
このようにIPOが値決め価格($60)を割り込みそうになった場合、主幹事は**「シンジケート・ビッド」と呼ばれる買い指値で相場を支えようとします。
よく勘違いされるのは(これは主幹事が自己資本を使って株価を支えている!)という思い違いです。実際には主幹事は予め売り越しておいた株(=これをグリーンシューと呼びます)**を買い戻しているだけです。つまり主幹事証券の腹は傷んでないというわけ。
【計算】
今回売出株数:2,800万株
グリーンシュー(=売出株数の15%):420万株
昨日投資家に渡した株数:3,220万株
売出目論見書の表面に「今回の売出株数は2,800万株」と書いてあるにもかかわらず、実際には「字余り」で3,220万株投資家に渡してしまった……それは実質的に主幹事がこの株を420万株ショート(空売り)しているのと同じ状態がわざと作り出されていることに注目してください。

主幹事による買い支えは、一見すると勇敢で尊い行為のように見えるのですが、実のところ、渡しすぎた株の「ショートのケツ入れ」をしているに過ぎないのです。
主幹事がこの買い戻しをする水準は値決め価格の60ドル、もしくはそれ以下の値段です。
今日(6月5日)の立ち会いでは60ドル以下で何株の出来高があるかを計算してください。それが420万株を越えた時点で「主幹事のシンジケート・ビッドが消える!」という風に判断してもらってほぼ間違いないです。
もし主幹事がそのようにして420万株をそっくり買い戻したら「グリーンシューは行使されなかった」ということになります。
もしIPO後の株価が高く、字余りで売り越した株を買い戻すチャンスが全然なかった場合は「グリーンシューを行使した!」ということを30営業日以内に米国証券取引委員会へ報告し、最終売出目論見書の株数を2,800万株→3,220万株に改訂するのみですべての作業は終わりということになります。
あとはEPSなどを計算するとき、グリーンシュー部分の420万株を加味した発行済み株式数を使用すれば良いだけです。