イランに対する地上戦では恐らくクルド兵が先陣を切る
2026年3月6日 05:25
アメリカとイスラエルはイランの核開発プログラムならびにミサイル施設の無力化を試みています。これまでの爆撃でそれらのかなりの部分は破壊されたと思われますが、根絶というわけではありません。徹底的にそれをやるなら、ちょうどイスラエルがガザに陸軍を進めたように、アメリカとイスラエルもイランに陸軍を進めなければいけません。これは極めてリスキーな試みです。
そこで注目されているのがクルド人です。
クルド人は全部で3,000万人居ると言われています。しかし彼らは独立国家を持っていません。地域的にはトルコ、イラク、シリア、イランなどに住んでいます。

(出典:ウォールストリート・ジャーナル)
クルド人の悲願は独立国家の擁立です。しかしそれはトルコ、イラク、シリア、イランのうちどれかの国土をクルド人に明け渡すことを意味し、これらの国々はそれを拒否しています。
第二次世界大戦後、世界の植民地の多くが独立を果たした際、クルド人はソ連の後ろ盾を得てイラン北西部にマハバード共和国を作りました。しかしイランはそれを制圧、指導者は処刑されました。クルド人はいまでもこれを根に持っています。
1979年のイラン革命でイランの内政が乱れた際、クルド人はもう一度自治を要求しました。しかし軍事衝突の後、クルド人は制圧されました。
クルド武装組織にはKDPIとPJAKがあります。
イランがクルド国家を認めない理由は、イランはペルシャ人が人口の60%、アゼルバイジャン人が15%、クルド人が10%という風に色々な人種の寄せ集め国家だからです。実際、今日、イランはアゼルバイジャンに向けてミサイルを放ちました。これはイラン国内でアゼルバイジャン人が政府転覆活動をしないようにという牽制の意味があります。
もしクルド人がイランで国家建設を始めると、それはイラクに住むクルド人も刺激すると思います。そしてイラク、トルコ、シリアのすべての政治を不安定にするリスクがあります。
地政学的にはアメリカやイスラエルが本格的に陸戦を展開する場合、テヘランに一番近い陸続きの外国はイラクであり、クルド人居留地が物資を運び込むことの可能なルートになるのです。
実はイラク側のクルド人居住区はキルクーク、アービル、モスールという産油地帯があり、イラク北部の油田の大半はここに存在します。これはイラクにとって戦略的に譲れない地域です。
埋蔵量は;
キルクーク 約100億バレル
アービル 約50億バレル
モスール 約10億バレル
一方、イラク南部のルマイラ油田などは700億バレルの埋蔵量を誇っています。