投資戦略
2026年4月18日 10:59
投資戦略をアップデートします。
■年初来パフォーマンス
下はドルベースで見た各国の主要株価指数の年初来パフォーマンス(4月17日まで)です。

これを見ればアメリカが突出しているわけでは決して無いことがわかります。
去年の末の時点では、ベネズエラやイランに対して米国が攻撃を仕掛けることは市場参加者のコンセンサスではありませんでした。
その時点でポピュラーな論調は「米国以外にも魅力ある市場はたくさん存在する!」というものでした。私自身も、そう考えていました。ところが戦争で「有事のドル!」になってしまったのです。
上の年初来パフォーマンスをもう一度見直してつくづく感じるのは**「誰も予想してなかったダークホースが勝った」ということです。具体的にはブラジルやタイランドがそれに相当します。
ブラジルは左派のルラ政権が続いており、経済改革に着手するラテンアメリカ諸国が多い中で政治の停滞が強く感じられる国です。もちろん次の選挙ではルラは負けるだろうと言われているので「今後の事態の好転に期待!」という意味では将来性があるのかも知れません。
むしろブラジルのパフォーマンスが良かった大きな理由はペトロブラス(PBR)の貢献によるところが大きいと思います。PBRの年初来パフォーマンスは+72.43%です。同社は海底油田を成功裡に運営しており、ホルムズ海峡をタンカーが航行できなくなったことで恩恵をこうむりました。
タイランドの株式市場が好調な理由は選挙で「大麻王」のあだ名を持つアヌティン・チャーンウィラクン首相が勝利し、経済のテコ入れ、とりわけ観光業の復興に腕まくりしていることが原因です。
タイランドにとって海外からの旅行者は重要な収入源ですが、2025年は中国の俳優がタイ北部で誘拐され身代金を要求されるという事件が起き中国からの観光客が激減しました。せっかく中国に対しビザ・フリーの措置が2026年3月1日から開始されたにもかかわらず、その直前にこういう事件が起きたのでSNSでタイランドに対するネガティブな風評被害が広まってしまったというわけです。
アヌティン氏は昔から「観光業を振興させるためにはマリファナのレクリエーション使用を解禁することが良い!」ということを主張してきました。言うまでもなくアジアの他の諸国はマリファナを禁止しています。だからタイランドだけがそれを解禁すれば、「プーケットのビーチにバカンスで来て、ついでにマリファナを試してみる」式の新しい観光客呼び込みのアピールができるというわけです。
こうして一旦はマリファナのレクリエーション使用が解禁されたものの、その後、「医療用に限定する!」という風に制度が厳格化され、当初の解禁時に「それっ!」とばかりに沢山オープンしたマリファナ販売所(ディスペンサリー)は過当競争で次々に廃業に追い込まれました。
この「お手つき」の後、アヌティン氏は去年の選挙戦ではマリファナのことを一切口に出さず選挙戦を戦い、勝利しました。
新政権が誕生した今も「羹に懲りて膾を吹く」感じでこの件は動いていません。
しかしいずれアヌティン首相は観光業テコ入れのためにこのアングルをもう一度トライすることが予想されます。
タイランドの株式市場は、久々に登場したビジネス・フレンドリーな政権を好感するカタチでラリーしているわけです。
■イラン戦争が終われば……
さて、ホルムズ海峡が航行できなくなったとき、世界の投資家は「産油国」と「非産油国」という風に世界の国々を二分し、ホルムズ海峡への依存度が高い国を売ることをしました。
そのターゲットにされた国々がドイツ、インド、バングラデシュ、中国などになります。
ドルに関しては「アメリカは世界最大の産油国なので…強い!」という先入観があり、ドルの先高観が台頭しました。
しかしイランとアメリカは今停戦交渉に入っており、戦争が終わるのであればもう原油高も一段落するだろうしドル高も一巡することが予想されます。
新興国株式はドル高局面では売られることが多いので、今後ドル安に転じるのであれば投資家の目は再びそれらの売り叩かれた国々へと向かうシナリオも考えられます。
■中間選挙の年の株式市場
さて、今年米国では中間選挙の年ですが、過去のアノマリーとして「中間選挙の年は4月から10月にかけて株式市場が冴えない」**という経験則があります。もしそれが今回も当てはまるのであれば、「アメリカとイランが停戦協定に調印!」という好ニュースが出た頃を境に、「理想買い、現実売り」で株式市場が冴えない展開になるリスクもゼロとは言えません。
■予想
2026年末のS&P500のターゲットは5,890を予想します。
2026年末のドル円は151円を予想します。
2026年末の10年債利回りは4.50%を予想します。
2026年末のフェデラルファンズ・レートは3.75%を予想します。
2026年末の失業率は4.7%を予想します。
2026年末の消費者物価指数は2.7%を予想します。
2026年末のGDPは+0.0%を予想します。