債券の入門
2026年2月10日 20:02
全世界の債券市場の時価総額は約130兆ドルです。これは全世界の株式市場の時価総額110兆ドルよりも大きいです。なぜ債券市場は株式市場より大きいのでしょうか?
そのひとつの理由は、国家は債券(=国債)を発行できるけれど株式は発行できないことによります。
事実、債券市場の内訳を見ると;
国債・政府債 75兆ドル
社債 35兆ドル
地方債、住宅抵当証券、ABS 20兆ドル
という感じで、政府が債券の発行者であることが多いことがわかります。
債券とは発行体(issuer)と投資家(bondholder)の間の取決め=借用証書に他なりません。普通、それは「借金である」ことに加え「返済期限がある」、さらには「返済条件が契約で確定している」のが常です。
もう少し細かく書くと、そこでは発行者が誰で、償還期限はいつまでで、額面(par value)、クーポン・レート、利払いの頻度、どの通貨建て? というようなことが謳ってあります。
発行体は国家(ソブリン)、超国家組織(たとえば世銀)、州政府、地方政府、郵便貯金、企業、特別目的会社(自動車ローン、クレカ・ローンなどを束にしてABS=アセット・バックト・セキュリティーズを発行するペーパー・カンパニー)などになります。
債券が発行される際に示される、お金を払い戻してくれるタイミングのことを償還期限(Maturity)といいます。これに対し、その債券が発行されてからある程度時間が経過した後、償還期限まで残っている時間のことをテナー(Tenor)と言います。この残存時間は、その間に投資家が晒されるリスクの期間に他ならないので、投資のリスク・リターンの計算の際の重要な考慮要素となります。
償還期限が1年以内の短期の債券はマネー・マーケット・セキュリティーズと呼ばれることもあります。
これに対比する表現で、償還期限が1年以上の債券はキャピタル・マーケッツ・セキュリティーズと呼ばれることもあります。普通、長期債になればなるほど値動きは荒くなります。
また稀なケースですが、償還期限が無い債券もあります。それはパーペチュアル・ボンド(永久債)と呼ばれます。
永久債は「返す必要のない借金」と考えることが出来ます。これは株式にとても近い概念です。
そこで株式と債券の違いを整理します。
株式では投資家は「オーナー」です。これに対し債券では投資家は「お金の貸し手」です。
企業が利益を出した時、株式の場合、投資家(=株主)は、配当や株価の値上がり益を通じてその恩恵に浴します。債券の場合、投資家が得るのは利息+元本です。リターン上限は、ほぼ固定されてしまっています。
会社が倒産したときは債券の投資家のほうが先に補償される権利を持ちます。一方株主が補償されるのは最後です。だから会社が倒産すれば株主は全損を覚悟しないといけなくなります。