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3月3日の中東戦争のアップデート 「誤算」はここだ

2026年3月3日 13:41

3月3日の中東戦争のアップデートです。

核開発を巡る交渉が不調なら武力行使も辞さないというトランプ政権の意図は、事前にマーケットに繰り返し伝わっていたので攻撃が始まったことはトレーダー達にとってサプライズではないし、ニューヨーク市場の月曜日の反応も予想の範囲内でした。
 
しかし大きな「誤算」があります。
 
イランは攻撃された相手国だけに報復することを諦め、最初から攻撃対象を湾岸諸国全体に広げている点です。
 
反撃初日のイランから放たれたミサイルやドローンの過半数がドバイに向けられたことはそれを端的に示すデータポイントだと言えます。
 
なぜ中立な国まで巻き込む?
 
それはハイ・バリューなターゲットを狙ったほうが反撃のコスパが良いからです。イランから放たれた廉価なドローンは、高価な迎撃ミサイルで撃ち落とさねばなりません。経済的な消耗はそれらの国々の方が遥かに多いというわけです。
 
しかもイランには未だ2,000から5,000機のドローンが温存されていると言われます。それらを使い切るまではタンカーは安心してホルムズ海峡を通過できません。
 
つまりホルムズ海峡はイランにより意図的に封鎖されたのではなく、**「使えなくなった」**とサプライチェーン側が断念したということです。
 
保険会社がタンカーに対するカバレッジをキャンセルしてしまったことも荷主をして出港を諦めさせる一因となっています。
 
サウジアラビアのラスタヌーラの製油所が攻撃され、一時操業を見合わせていることも投資家心理に影を落としています。
 
カタールの液化天然ガスの出荷も止まっています。
 
アメリカは世界最大級の産油国でありエネルギーの輸出国です。中東からも一切石油や天然ガスは買っていません。だから米国内のガソリン価格は殆ど動いていません。

全米のガソリンスタンドへの小売販売価格聞き取り調査をもとに算出されているAAA全米平均ガソリン価格は3月2日の時点で$2.997でした。一週間前は$2.938でした。一年前の3月2日が$3.098だったことを考えると、いまの段階では大騒ぎするような水準では無いです。
 
それは何を意味する?
 
米国は戦争を継続しても米国民から反発を買いにくいということです。
 
これに対して中国、日本、韓国などの国々は中東への依存度が高いです。したがってインフレへの影響は大きいです。欧州もウクライナ戦争以降ロシア以外の国々からエネルギーを輸入している関係でホルムズ海峡が航行できなくなった影響を受け始めています。
 
**マーケットの反応で、予想と違った点としては、未だ「質への逃避」は起きてないという点です。**普通、市場参加者は先行きに不安を感じると債券に逃げ込みます。このため債券価格は上昇し、その利回りは低下します。
 
しかし月曜日の債券市場ではあべこべに債券が売られ、結果として米10年債利回りは4.05%に達しています。

(出典:トレーディングエコノミクス)

これは「米国経済は強い」とトレーダーが感じていることを示唆します。株式市場も小動きだし、トランプ大統領が経済へのインパクトを懸念し攻撃を早々に切り上げる公算は小さくなりました。