投資戦略
2026年6月6日 17:45
投資戦略をアップデートします。
■相場観の変更
私は4月第1週にいわゆるフォロースルー・デーが出た時、マーケットは新しいブル局面に入ったと考えました。
その時、これからはスペースX、アンソロピック、オープンAIなどの大型ディールへの期待が相場を牽引するという風に上げた理由を説明しました。
まだそれらのディールは値決めされたわけではありません。スペースXの値決め日は6月11日に予定されています。
しかし、その前に相場が崩れる様子を見せ始めたので、君子豹変し、マーケットには黄信号が灯ったという考え方に変更します。
言い直せばまだ弱気にはならないが、もう強気でもない、様子を見たいという意味です。
その最大の理由は6月5日(金)の立ち会いで、実に多くの個人投資家のポートフォリオが大きなダメージを受け、しこりを作ったからです。
信用でポジションを建てる、2倍・3倍ETFをロングする、CFD取引をする…これらはいずれもレバレッジをかけた投資です。
普通、個人投資家がレバレッジを用いて相場を張り、それが裏目に出た時は、追証とか強制決済とかで自分のトレード方針に関わりなく有無を言わせず反対売買させられることが多いです。
その売りが、さらに売りを呼び、上値にびっしりと戻り待ちの潜在的売り圧力を作ってしまうわけです。
モメンタムに任せて買い上がってきた相場は、モメンタムが逆流したとき、引かれ腰の弱い投資家の売り物を浴びます。つまり上げ相場で仲良く皆で相場を張ってきた相棒たちが、皆、売り手に回ることであなたの敵になるわけです。
そういうことを何度も見てきたので、私は日頃から「汝の隣人を心の底から憎みなさい!」と戒めてきました。
金曜日の立ち会いでは、別に悪いニュースがあったわけではありません。
雇用統計の発表では非農業部門雇用者数が予想より大幅に多い17.2万人でした。これは米国経済はどっこい強いぞ!というグッドニュースに他なりません。
しかしその結果として長期債が売られ、長期金利が上昇したので、投資理論通り、エクイティーの妥当バリュエーションは下がらざるを得なくなったのです。(下の数式で金利が分母に来ている点に注目=分母が大きくなれば、解は小さくなります)
PV = FV/(1 + r)
PV = Present Value
FV = Future Value
R = Interest Rate
金利がアゲンストの風になり、先週の相場で投資家が傷み、ディールラッシュで株式の供給過多の状態が生じている以上、マーケットの先行きに関しては目先スペースXのディールがちゃんと値決めに持ち込めるかどうか見極めたいです。
また半導体関連、量子コンピュータ関連、発電関連、光ファイバー関連、データセンター建設関連、宇宙関連などのテーマ株も傷みが激しく、戻り待ちの売り物がびっしりとあることが予想されるため、慎重になりたいと思います。
■設備投資ブームは必ず暴落で終わる
世界的なバブルが同時に崩壊した最初の例は1873年です。その年、普仏戦争の敗北でフランスは多額の賠償金を払わされ、その臨時収入が舞い込んだドイツやオーストリアでバブルが起きました。バブルが弾けた時、ウィーンの証券取引所でパニックが起きました。

当時世界は設備投資ブームでした。アメリカでは大陸横断鉄道が開通しました。

ほぼ同じ時期にスエズ運河が開通しました。

これらの設備投資は債券によってファイナンスされました。一般投資家を巻き込んだ投資ブームのはじまりというわけです。
しかし余りたくさん鉄道が敷かれた結果、投資リターンが低下し、最終的には鉄道債の引受でのし上がったジェイ・クック商会が破綻し、ニューヨーク証券取引所は10日間に渡り閉鎖されました。
1920年代には自動車ブームが起こり、スチュードベーカー、パッカード、ピアース・アロー、ハドソン、ナッシュ、ウイリス・オーバーランド、オーボーンなど250もの自動車メーカーが創業されました。
この時も投資ブームが起き靴磨きの少年が有名な仕手筋の顧客に「勝てる銘柄」を教えるというような後々まで語り継がれるエピソードが生まれました。証券投資の大衆化でメイドさんや教師まで株に熱中しましたが、1929年にバブルが弾けるとそれは大恐慌の引き金になりました。

これらの過去のブームはいずれも画期的なテクノロジー(鉄道、運河、自動車)の登場で経済そのもののあり方が変わったことをきっかけとして起こりました。
しかし、投機熱が実際にその新技術が定着し、生産性をUPする前にバブルを生み、バブル崩壊を引き起こしたのです。
いまはAIが話題をさらっていますが、AIそのものは我々の日常生活にしっかりと組み込まれ、便利さを提供すると思います。ただ鉄道や自動車やインターネットがそうだったように株式投資としてそれが成功するか? と言えばそれは別問題だと思います。
■予想
2026年末のS&P500のターゲットは7,000を予想します。
2026年末のドル円は153円を予想します。
2026年末の10年債利回りは4.50%を予想します。
2026年末のフェデラルファンズ・レートは3.50%を予想します。
2026年末の失業率は4.40%を予想します。
2026年末の消費者物価指数は3.70%を予想します。
2026年末のGDPは+1.50%を予想します。