ポートフォリオのリバランスは有効か
2026年7月20日 02:00
米国のフィナンシャル・アドバイザーは基本動作として顧客に定期的にポートフォリオのリバランスを勧めます。
リバランスとは、勝っている銘柄やセクターから利食いし、アンダーパフォームしているセクターにその資金を投入することを指します。
ポートフォリオ・リバランシングに関する学術研究は多くなされています。
その結論は「リバランシングはリスク修正後のリターンを改善する。ただし、リターンそのものを良くするエビデンスはない」というものです。
いま仮に株式60%、債券40%というポートフォリオがあったとします。長期強気相場でこの割合が株式75%、債券25%に変わった場合、もともとのポートフォリオよりも株式比率が増えてしまったためポートフォリオ全体としてのリスクは大きくなります。
その場合、株式を少し売り、債券に再投資することで、元の比率である60:40に戻し、リスクを抑えることができます。年金、基金、ソブリン・ウエルス・ファンドは通常、このような投資アプローチを採用します。
さて、リバランスすることでポートフォリオのリターンが向上するか?と言えば、それを示すエビデンスは少ないです。
ドットコム・ブームの1990年代後半、2010年代以降の大型IT株相場などではリバランシングはポートフォリオのアップサイドを取れず、市場をアンダー・パフォームする原因となりました。
もうひとつ、面白い学術的指摘があります。それは「1年に1回リバランスする」という風に定期的にリバランスするやり方と、「ポートフォリオ内でそのセクターなり資産が5パーセンテージ・ポイント以上ウェイティングを増やした場合は減らす」という風にパフォーマンスに基づいてリバランスするやり方だと、後者の方が遥かに良い結果が出るそうです。
そもそも「1年に1回リバランスする」というのは、顧客がフィナンシャル・アドバイザーと1年に1回面談するという風に対面ミーティングの頻度と密接に関係があります。その場合、ポートフォリオが歪になるほどアウトパフォーマンスしていないケースでもリバランスしてしまう場合があります。これは税金効率などを考えると意味のないアドバイスです。