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ゴールドマンとJPモルガンがAI演算資源先物取引の可能性を検討 ドットコム崩壊時のエンロンの悪夢が蘇る

2026年6月9日 09:23

ゴールドマン・サックスとJPモルガンは、AIコンピュート(演算資源)の先物をトレーディングすることを検討しています。

その理由として金融機関はAIデータセンター建設に多額の融資を行っており、融資の際に銀行側が取る演算子原の価格下落リスクをヘッジする方法が必要だから!という議論があります。
 
この報道を見て私の心の中では、いくつかの考えが去来します。
 
まず、先物取引という限りは、AIコンピュートはファンジブル(=等質で交換可能なこと)であることが要求されます。それは……とりもなおさずAIコンピュートはコモディティである!ということに他なりません。
 
もちろん、AIデータセンターごとにコンピュートの提供条件はやや異なると思うので、原油先物で言えばWTI、ブレント、ドバイなどの品種が登場する可能性があります。
 
似たようなケースでは、電力先物や周波数帯域先物などがトレードされた実績があります。
 
そこで思い出されるのは周波数帯域先物の先鞭をつけたエンロンの破綻です。
 
アイデアとして偏在する周波数帯域の余剰キャパシティを自由に取引することは素晴らしかったですが、実際のトレーディングに際してはじゅうぶんに市場参加者が増えなかった為、エンロンのアンディー・ファストウ財務部長がこっそりヘッジファンドを設立し、エンロンの取引のカウンター・パーティーとなってリスクを簿外に飛ばす粉飾が行われたのです。
 
もうひとつ、AIコンピュートにお金を貸す銀行が出来ることはクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)でヘッジするというやり方です。これはAIコンピュートの価値下落に対するダウンサイド・プロテクションは得られませんが、カウンター・パーティーが破綻した際の信用リスクのヘッジは理論的にはできることになります。
 
しかしCDSの存在が金融機関をして誤った安心感を醸成、それがサブプライム・バブルを助長し、結局リーマン・ショックに繋がったことを想起すれば、このアプローチもあまりバラ色のシナリオとは言えません。
 
いずれにせよ、AIがこれまでの純粋なテクノロジーのバトルから財テクのバトルへと変質しつつあることを投資家はハッキリと認識すべきです。