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オープンAIがショッピング・エージェントをローンチすればアマゾン広告は脅威に晒される

2026年2月16日 01:54

オープンAIは年末の新規株式公開(IPO)に向け、マネタイゼーションに躍起になっています。

ひとつのマネタイゼーションのやり方はAIに買い物を代行させるショッピング・エージェントをローンチすることだと思います。
 
いまのアマゾン広告、グーグル・ショッピングなどは人間のユーザーに最適化されているため、AIがショッピング・エージェントになればそれらはディスラプトされるリスクがあります。
 
アマゾン広告はアマゾンの利益(EBITDA)の2割から4割を占めているだろうと言われています。

アマゾン広告はアマゾンのサイト内でセラーが自分の商品をプロモーションするのを支援するシステムです。アマゾンをおとずれる消費者は既に何かを買うつもりで来ているわけだから、そこで商品を提示することはパワフルな広告になります。
 
四半期の決算を見るとアマゾン広告はこのところ22~24%くらい成長しており他のネット企業の広告成長率より高いです。
 
具体的な方法ですが、例えば消費者がアマゾンのサイトで「携帯電話」とサーチすれば、その瞬間にリアルタイム入札でそのキーワードに対して最も高い広告出稿料を払ったセラーの広告が表示されます。
 
アマゾン広告のコンバージョン・レートは10~20%です。これに対してインスタグラムは1~3%くらいです。
 
このためアマゾン上でのセラーは普通、商品の写真、商品説明の文句、キーワードなどをアマゾン広告を念頭に入れて最適化するだけでなく、自動「スポンサード広告」キャンペーンを購読する、「スポンサード・ブランド・ビデオ」などを追加する…そしてその広告効果をレビューし、精度を高めてゆくことをします。
 
アマゾン広告はセラーにとってその商品が注目されることに対して課せられる「税金」みたいな役回りになっています。
 
アマゾン広告はオルガニック・ランキングにも影響しますし、いわゆる「バイ・ボックス」の制御も行われます。
 
バイ・ボックスとは「カートに入れる」という黄色のボタンを含む表示画面で、これを所有しているセラーのところに最終的な買い注文が行くことが殆どです。
 
アマゾン上では複数のセラーがまったく同一の商品(=同じASIN番号)をマーケティングしている場合があり、その際、「バイ・ボックス」を殆どの消費者はポチるからです。
 
アマゾンは誰の「バイ・ボックス」を表示するかを決めるに当たり、価格、フルフィルメント手法などを優先します。
 
セラーの目線ではアマゾンで販売するとリファーラル・レートの15%、FBAフィーの15%、広告に10%程度のコストを払うことになり、とても不利です。だから自分のウェブサイトで売ったほうが得です。
 
アマゾンがアマゾン広告料を値上げするひとつの理由は、アマゾンで商品を探し、それを直接そのブランドのサイトで購入する消費者が増えているからです。その場合、アマゾンはアマゾン広告の広告料だけは手に入れることが出来ますが、他は出来ません。
 
これを長く続ければアマゾンのサイトが雑然としたイメージになるリスクがあります。
 
しかしアマゾンの物販マージンは5%前後、AWSマージンは35%前後なのに比べてアマゾン広告のマージンは70%近いので、自分の首を締めるとわかっていながら、アマゾンは広告を増やさざるを得ないのです。

オープンAIがショッピング・エージェントをローンチすれば、上に書いたようなディスカバリー・プロセス(自分の探している製品に到達する経路)はすべて素通りされるリスクがあるわけです。
 
そんなわけでアマゾン株は過去20年間で最悪の連日安を記録中です。

(出典:マーケットサージ)