投資戦略
2026年5月1日 18:31
投資戦略をアップデートします。
■3つの大型IPOへの期待が今の相場を支えている
いま米国株は好調です。その背景には年内に3つの新規株式公開(IPO)が予定されていることがあります。
スペースX 6月下旬
オープンAI 年末
アンソロピック 年末
私も投資銀行時代はシンジケートの仕事をやっていた時期があり、こういう大型案件が控えている時の業界関係者のマインドセットについてはよく理解しています。
(なるべく今の相場を持続させたい!)
それが関係者の悲願というわけです。
こういうときなかなか相場は崩れにくいです。
スペースXに関してはそろそろS-1が出てくるタイミングです。S-1とはIPOに先駆けて会社が米国証券取引委員会に提出する事業内容の開示を指し、売出し目論見書の叩き台となる書類です。
そこでは売上高をはじめとしていままで秘密にされてきた様々な情報がはじめて明らかになります。
投資家は宇宙ビジネスの大きさ(TAM=Total Addressable Market)に驚くはずです。
宇宙といえば絵空事のように感じる人が多いですが、実際にはすでに宇宙に置かれている人工衛星などのアセットを利用し、地球を観察し、地表の兵器や機材と連動することで成果をあげるようなアプリケーションはイラン戦争など枚挙に暇がありません。
問題はスペースXの大型IPOが投資家の投資資金を吸い上げてしまう可能性があることです。IPOに応募するためにはポートフォリオを整理し、なにかを売らないといけない…そういう力が働きやすいのです。
理詰めで考えれば、そのターゲットになるのは時価総額の大きさから考えて大型ハイテク株ということになります。いますぐに売り圧力が出るということではないです。
■大型ハイテク株の決算は好調
その大型ハイテク株ですが、2026年第1四半期の決算が出揃い、皆、良い決算を出しました。
特に目立ったのはAIデータセンター向けにクラウドのビジネスを展開しているアルファベット(GOOG)を始めとする企業の好調です。
各社のクラウド事業は市場参加者の期待にじゅうぶん応える高い成長を出しています。
いまはAIデータセンターを作ればそれがすぐに売上高につながる構図となっており、キャパシティの遊びはありません。むしろ工事の遅延で関係者がイライラするような状態です。
クラウド事業は外部への売上高が明快に区別できるのでその事業の成長が可視化され、投資家の安心感を獲得できます。
その点、メタ・プラットフォームズ(META)の場合、AIは本業である広告収入の伸長に大きく貢献しているものの外部から見ればそれがわかりにくいという理由で、この銘柄だけはAIへの継続投資への懐疑論が出ており、株価が売られています。
■消費は強い
アップル(AAPL)、ビザ(V)、スターバックス(SBUX)のような企業の決算は足下の消費者の行動を測るうえで貴重なデータポイントを提供していますが、それらの決算からわかることは消費に異変は出ていないということです。
iPhoneは良く売れていますし、クレカのトランザクションも活発ですし、スタバは2年ぶりに来店客数、顧客単価が揃って成長に転じました。
もし米国の消費の足腰が弱ってきているのなら、こういう決算にはならないはずです。
■イラン情勢
イランと米国はホルムズ海峡で睨み合ったまま、手詰まり感が出ています。
アメリカは「イランのトップは割れており、誰を相手に交渉すればよいのかわからない」とこぼしていますが、空爆で最高指導者以下の要人を次々に爆殺した結果、求心力が最高指導者ならびに政府機構からイスラム革命防衛隊(IRGC)にシフトしたと考えるのが妥当です。
実権を握っている順番で言えば;
モハンマド・バーゲル・ゾルガドル最高安全保障委員会事務局長
ヤフヤー・ラヒーム・サファヴィー最高軍事顧問
アフマド・ヴァヒディ准将
というIRGCの3人です。
アヤトラ・モジタバ・ハメネイ最高指導者は爆殺されたアヤトラ・アリ・ハメネイの息子で後継者には違いありません。
ただ、最高指導者の地位に就くにあたり、上記の3人に恩がある関係で、彼らの意向に従わなければいけないです。だから実質的にイランの政治を動かしているのはIRGCの3人です。
イラン政府の要人ということでは、モハンマド・バゲル・ガリバフ イスラム諮問議会議長は米国との交渉の際のイラン側のトップを務めています。マスウド・ペゼシキアン大統領とアッバス・アラグチ外相は全くのお飾りと考えたほうが無難です。
イラン政府の要人がどんなにアメリカ政府と建設的な対話をしたところで、IRGCの強硬派が反対すれば通りません。
ただ、相場の材料としてのイラン戦争は、もうインパクトを失いつつあると思います。
■予想
2026年末のS&P500のターゲットは6,700を予想します。
2026年末のドル円は151円を予想します。
2026年末の10年債利回りは4.30%を予想します。
2026年末のフェデラルファンズ・レートは3.25%を予想します。
2026年末の失業率は4.5%を予想します。
2026年末の消費者物価指数は3.30%を予想します。
2026年末のGDPは+0.50%を予想します。