投資戦略 大幅な変更を加えました
2026年3月12日 20:10
投資戦略をアップデートします。
■予想
2026年末のS&P500のターゲットは5,890を予想します。
2026年末のドル円は151円を予想します。
2026年末の10年債利回りは4.20%を予想します。(旧予想3.20%)
2026年末のフェデラルファンズ・レートは3.75%を予想します。(旧予想3.00%)
2026年末の失業率は4.7%を予想します。
2026年末の消費者物価指数は2.7%を予想します。(旧予想2.20%)
2026年末のGDPは+0.0%を予想します。
■世界は変わった=予想は外れた
今般のイラン戦争で世界は一変しました。
私の想定は、まるっきりはずれました。
まず(アメリカは数日間イランを叩いた後、竜頭蛇尾に戦争をやめる)というベネズエラ型のシナリオは完全に間違っていました。
トランプ大統領が「ほぼ完了!」宣言をした時に、サッサと空母を帰投させれば良かったものを、ダラダラとアラビア湾におけるプレゼンスを維持し続けたが為に、まんまとイランの術中にはまっています。
イランは長期戦が得意です。機雷やドローンやスピード・ボートのようなチンケな武器で戦うやり方を最上と考えています。
**もうひとつの大きな誤算は、イランがドバイなどの周辺国を巻き添えにする戦略に出たことです。**これは戦争が地域全体に与えるコストを大きくし、アメリカがカンタンに引き下がれないように釘付けにする効果を出しました。
最大の誤算は西側の荷主が勝手に(ホルムズ海峡はもう使えない!)と航行を諦めてしまったことです。
イランが海峡を封鎖することを試みるまでもなく、勝手にパッタリとタンカーの航行は途絶えてしまいました。
このため極東でのガソリン価格を決定するオマーン原油(OQD)は$134と暴騰しています。
荷主がホルムズ海峡通過を敢行しない理由は「そろばんが合わない」からです。普通、大型タンカーは1回のトリップで1,400万ドルほどの売上を得ます。これは緊張が高まり、用船料がUPした場合を想定した計算です。
しかしいまは**戦争特約の保険料(AWRP)がものすごく高騰しており、その保険代だけでほぼ足が出てしまいます。つまり出港する経済的理由がないわけです。
もし戦争特約保険をかけずに出港するとフォース・マジュール(天変地異条項=戦争も立派な拒否事由になります)により通常の保険では支払いを拒否されてしまいます。
これにより世界の原油の供給量の14%くらいが失われました。**ちなみに第二次オイルショックの時に失われた供給量は6%だったので、今回のほうがインパクトは大きいです。
してみればいま我々の眼前に展開しているのは「第三次オイルショック」に他ならないのではないでしょうか?
■最も心配しないといけないこと
いま投資家が最も心配しないといけないことは原油高がインフレ再燃をもたらすリスクです。
これは1970年代に起きた「第一次オイルショック」、そして「第二次オイルショック」という、ふたこぶラクダのようなインフレ・エピソードがいま既に起き始めていることを意味します。
このため冒頭に示したように、インフレ、金利に関係する予想を変更しました。
金利と株式バリュエーションはシーソーの関係にあります。金利が上昇しはじめると株式は苦しいです。
去年末に示した「2026年のモデル・ポートフォリオ」は、当然、戦争が起きることを想定していなかったので(市中金利はこれまでのトレンドを継承してじわじわ下がる)ことを前提にしていました。
その前提は、もう崩れたのです。
■トレードについて
いま金利の見通しが大きく変わっているので、株式は危ない局面です。
バッサリとポジションを落とし、様子見したほうがいいです。
10年に一度、あるかないかの危機に直面している…そういう風に言えると思います。
投資家は、まだ慢心しています。プットコール・レシオのようなセンチメント指標も、まったく危機感を感じさせません。
だから投資家が足下をすくわれるのは、これからだと思います。