スペースX株をS&P500指数に直ぐ組み入れることをスタンダード&プアーズ社が却下 これはスペースXのIPOにどのような影響を与える?
2026年6月5日 14:01
スタンダード&プアーズ社がスペースXをS&P500指数に上場後直ちに組み入れることを却下しました。
却下した理由は「上場後少なくとも12か月は公開企業として様子を見ないといけない」というこれまでS&Pが堅持してきたルールを曲げると指数の首尾一貫性が損なわれると判断したためです。
S&P500指数は世界の株価指数の中で最も多くの投資資金がその指数をベンチマークとして運用されており、その総額は約16兆ドルです。
ただし、指数群としてはMSCIの各指数の方が、トータルとしては上で、世界の機関投資家は21兆ドルを何らかのMSCI指数で運用しています。このうちETF部分は2兆ドルです。
スペースXのIPOは今マーケティングが行われている最中ですが**「IPOで買えばその後直ぐにS&P500指数に採用されるのでパッシブ系のファンドが同社株を場で拾わざるを得ない!」という買い理由はこれで消滅しました。**
さて、MSCI指数は「株式市場に出回っている、自由に取引できる発行済み株式数=フリー・フロート」のみを指数のウエイティングとすることで知られています。なぜなら、実際に機関投資家が買えない株(例:株式の持ち合い、政府保有株式など)をベンチマークにしても意味がないからです。
スペースXの場合、イーロン・マスクがIPO後も45%の株式を持ち続け、その他のインサイダーの玉と合算すればフリー・フロートは40%にしか過ぎません。すると$135でIPOされたときの時価総額1.75兆ドルに対し、実際のフリー・フロート時価総額は7千億ドルということになります。
つまりMSCI指数も、スペースXはあまり組み込まないわけです。
もうひとつ懸念事項があります。それは、2025年にスペースXが年間で49億ドルの赤字を出したということです。S&P500指数に採用されるためには過去4四半期のGAAP利益が黒字であることが要求されます。
スペースXは目先のAIへの投資を利益より優先するため、同社株が上記の「利益基準」をクリアするのは早くても2028年になりそうです。