Skip to content

AIの脅威が銀行やフードデリバリーにすら波及するとニュースレターが警鐘

2026年2月24日 06:40

AIの脅威が銀行やフードデリバリーにすら波及するとニュースレターが警鐘を鳴らしたことをキッカケとしてそこで言及された銘柄が急落しました。

このニュースレターはシトリー二という投資調査ブティックが出しています。
 
シトリーニは、いわゆるセマティック投資と呼ばれる手法を採っており、ある技術が未来をどう変える? という思考から発想して、それが株式の価格に与えるインパクトについて考察しています。
 
同社は2023年から始められた歴史の浅い企業で、創業者のジェームズ・ヴァン・ギーレンはシトリーニを始める前は畑違いのことをやっていたようです。
 
「2028年に到来するグローバルなインテリジェンス危機」と題された問題のリサーチは、かなりセンセーショナリズムに偏っており、まともな投資銀行ならこういうリサーチ・レポートは社内チェックで弾かれて出せないような代物です。論拠もかなりアヤフヤで、結論は性急です。
 
ただそのようなこけおどし的なレポートにも株価が敏感に反応すること自体、いい加減、マーケットが煮詰まっていることの証と言えないこともないです。
 
そのレポートでは「2028年半ばに米国の失業率は10.2%に達する」としています。
 
これはかなり極端な意見です。なぜなら下のチャートに見るように、アメリカの歴史で失業率が10%を超えたのは第2次オイルショック後の1982年、リーマンショック後の2009年、新型コロナで外出禁止令が出た2020年の3回しか無いからです。

(出典:セントルイスFRB)

さらに「S&P500指数は高値から−38%下落するだろう」と予言しています。
 
景気が悪くなる原因は「AIは人間と違ってモノを買わないから」だそうです。消費が米国経済の70%を占めている以上、AIが世界を支配し、人間にお金が回ってこなくなると当然消費が落ち込むという議論です。
 
エージェンティック・コーディングのツールの登場が全ての引き金であり、AIがどんどんコードを書けてしまうのでマンデー・ドットコム(MNDY)、アサナ(ASAN)などの企業はもう要らなくなるというわけです。
 
消費者がAIエージェントに作業を代行させるので旅行予約サイトも要らなくなり、自動車保険などの更新もAIが一番安い値段の保険にどんどん乗り換える、資産運用サービス、税理士、弁護士なども要らなくなる、ギグワーカーがAIで仕事を選別するようになるのでドアダッシュやウーバー・イーツの配達員はどんどんプラットフォームを乗り換えるようになる、マスターカードやビザカードはステーブルコイン+エージェントによるラウティングに取って代わられる……という感じです。

これらの指摘は、それぞれじっくり考えてみる価値がある指摘には違いありません。でもだからといって、そこに書かれている「予言」が全て現実のものとなると鵜呑みにすることは出来ないと思います。

ようするに何でもかんでも「AI礼賛!」というノリから、投資家はAIブームのもたらす負の影響についてようやくしっかり考え始めたということだと思います。