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投資はTinderデートとは違う

2026年7月6日 19:21

投資はTinderデートとは違います。

昨今のマネーブームでたくさんの若者が株式投資に参戦しています。彼らはデジタル・ネイティブですから、彼らのクセを株式投資にも持ち込んでいます。そこではinstant gratification、つまりその日のうちに「即る」ことが重視されるわけです。
 
投資もそんな感じで、買ったそばからすぐに利が乗り始めるのが当たり前だと思っています。
 
しかし……
 
普通、素晴らしいビジネスは一夜にして誕生しません。名声が確立しているブランド企業は長く存在し、来る年来る年、自分たちのサービスや商品の素晴らしさをユーザーや消費者に証明し続けているわけです。
 
たとえばジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)という会社があります。その創業は1886年です。当時消毒剤で手術に使う滅菌包帯がジョセフ・リスターによって提唱され、それにジョンソン兄弟が飛びついたわけです。
 
その後、JNJは1961年にヤンセンファーマを買収し、製薬事業に乗り出します。2023年にコンシューマー事業をケンビューとしてスピンオフし、現在は創薬と医療機器の分野に特化しています。
 
同社は過去60年に渡り毎年増配を繰り返し、「配当王」と呼ばれています。同様の企業にはプロクター&ギャンブル(PG)、コカ・コーラ(KO)、ペプシコ(PEP)があります。
 
ラグジュアリー・ブランドの世界ではエルメスは189年の歴史がありますし、カルティエも179年続いています。バンコクのオリエンタル・ホテル(こんにちのマンダリン・オリエンタル・グループの前身)は150年の歴史を誇っています。
 
殆どの実業家は自分の事業の永続性ということを標榜します。そのためには長い時間をかけて名声をはぐくむことが必要になるのです。
 
むかしある座談会でビル・ゲイツがウォーレン・バフェットに「バフェットさん、あなたの投資手法は極めてオーソドックスで一見するとカンタンで誰にでも出来るように思えるのですが、どうしてあなたのやり方で成功している人がとても少ないのですか?」と質問しました。
 
それに対してバフェットは「世の中の大半の人は(最短の期間で金持ちになってみせる!)と考える。私のように(ゆっくり金持ちになる!)ということを実行するのは流行らないからだ」と答えました。
 
(誰よりも速く、億り人を達成したい!)というような考え方は横着なだけでなく、危険極まりないです。それはTinderで堅い結婚相手を探そうとするような愚行であり、せいぜいくたびれもうけに終わるのが関の山です。