メダリアへの投資でPEファーム、トーマ・ブラボーが50億ドルの損
2026年6月18日 04:36
ソフトウェア企業メダリアへの投資で、PEファームのトーマ・ブラボーが50億ドルの損を出しました。
これは過去最大のPEファームの損を出したTXUに次ぐ2番目に大きな損です。
メダリアはいわゆるカスタマー・エクスペリエンス(CX)ソフトウェアの会社で、具体的にはホテルの宿泊客へのアンケート調査、航空会社を利用した顧客の満足度調査、コールセンターの品質管理などを計測するサービスをしています。つまり「消費者の声」を分析する企業です。
同社は2019年にIPOし、いわゆるSaaS企業のひとつとして高いバリュエーションを獲得していました。それをPEファームのトーマ・ブラボーが64億ドルで非公開化したのです。
その後市中金利が上昇、メダリアの成長が鈍化、SaaS企業のバリュエーション全般が剥げる、負債の返済負担が重くのしかかるなどの要因が重なり、さらに最近ではAIの登場でメダリアのやっている業務のかなりの部分がAIに置き換わってしまうのでは?という懸念が出たため、バリュエーションがガタ落ちになってしまったのです。
メダリアそのものはまだ営業を継続していますが、トーマ・ブラボーは同社の経営権をブラックストーン、アポロ、KKRのコンソーシアムに譲渡し、50億ドルの実現損を出す決断をしました。
実はSaaSはPEファームがとりわけ好んでターゲットにしたセクターで、メダリアの他にも高いバリュエーションで非公開化された企業が数多くあります。したがってメダリアは氷山の一角であり、今後も第二、第三のメダリアが出てくるのではと噂されています。