投資戦略
2026年5月24日 04:12
投資戦略をアップデートします。
■引き続きIPOへの期待が米国株を牽引
先週スペースXのS-1が米国証券取引委員会に提出されました。S-1とは新規株式公開(IPO)の売出目論見書のたたき台になる開示書類です。
スペースXのIPOロードショーは6月6日頃にキックオフされ、6月11日引け後に値決め、翌12日からナスダックで取引が始まる予定です。
スペースXのIPOに刺激されるカタチでChatGPTのオープンAIも年末を予定していたIPOを9月に繰り上げると発表しています。
なおAI大手で最近売上高ベースでオープンAIを抜き去りNo.1になったアンソロピックも年末までにIPOします。
このように今年はIPOが目白押しでありそれらに対する期待からNY市場は堅調に推移しています。
■AIデータセンター投資がGDPを押し上げ
これらの企業が市場から資金調達すると、そのお金はAIデータセンターに投入されます。
今年はAIデータセンター建設関連の経済活動が米国のGDPを1%以上引き上げているという意見があります。
実際、米国の足下の経済はイラン戦争やガソリン価格の高騰をものともせず堅調に推移しています。
これを受けて2026年末のGDP予想を+1.50%へ引き上げます。
■第1四半期決算も絶好調
2026年第1四半期決算は大方の企業が発表を終え、予想を上回る好決算を出しました。また来期移行のガイダンスも強気な会社が多かったです。
その結果、**今年と来年のS&P500のコンセンサス一株当たり利益は大幅に上方修正されています。**去年から今年にかけてのEPS成長率は+23%です。これは新型コロナ後の経済再開時を除けば近年で最も高い部類に入ります。

下は長期でのS&P500のEPSの推移のチャートです。最近、上昇率が加速していることがわかります。

同じデータを、もう少し細かく、四半期ベースで前年比較したチャートは下のようになります。

明らかに前年比の成長率がステップアップしているのがわかります。
■ターゲット変更
このため2026年末のS&P500のターゲットは7,000へ引き上げます。
また、米国経済の足腰が強いので、ドル円の予想も153円に引き上げます。
このような経済好調ならびにイラン戦争によるガソリン価格高騰を受けて、長期金利は上昇気味です。
したがって2026年末の10年債利回りの予想も4.50%に引き上げます。
■ケビン・ウォーシュFRB議長の最初のアクションは利上げか?
先週、ジェローム・パウエルFRB議長の後任としてケビン・ウォーシュが就任しました。
これまで市場関係者は「今年は米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レートは3.50%のまま動かされない」と予想してきたのですが、上に述べたような足下の米国経済の強さを受けて利上げ派が台頭しています。
現在のコンセンサスは、今年最後の連邦公開市場委員会(FOMC)で1回の利上げが発表され、政策金利は3.75%になるというものです。
私はこれまでの3.25%という予想を3.50%に変更します。
■相場見通し
私は**「スペースXの値決めは問題なく行われるし、それまでは米国株は堅調に推移する」**という考え方をこれまで通り堅持します。
ただ値決めが終わり、6月12日に上場初立ち会い日が来れば、**その後、スペースX株がどう動く?ということに関しては「まったく予想できないし、予断を許さない」と考えています。**もし上場初値からズルリと株価が下げる場合には、次に控えているオープンAIのIPOのマーケティングにも差し障りが出るかもしれないし、市場のセンチメントそのものが暗転するリスクもゼロとは言えません。
したがって、今後の行方を先入観に囚われない、澄んだ目でじっと観察する態度が必要です。
■予想
2026年末のS&P500のターゲットは7,000を予想します。(旧予想6,700)
2026年末のドル円は153円を予想します。(旧予想151円)
2026年末の10年債利回りは4.50%を予想します。(旧予想4.30%)
2026年末のフェデラルファンズ・レートは3.50%を予想します。(旧予想3.25%)
2026年末の失業率は4.40%を予想します。(旧予想4.50%)
2026年末の消費者物価指数は3.70%を予想します。(旧予想3.30%)
2026年末のGDPは+1.50%を予想します。(旧予想+0.50%)