景気サイクルについて
2026年4月8日 01:30
経済は一直線では成長しません。
景気は拡大局面→過熱→後退→回復→再び拡大…という感じでうねりを伴いながら拡大してゆきます。
その理由は経営者が(業容を拡大しよう!)と意を決してから、実際に工場を建設するなどの投資を行い、それが完成するまでには時間差があることによります。
経営者がそのような決断を下すときというのは大体景気が良く、みんなが楽観しているときです。
他の経営者もまったく同じことを考えるので、みんながそれをやり始めた時は新たに参入するプレイヤーが増えてしまい、過当競争になるわけです。
経営者にお金を貸す、ないしは株式を出すことを勧める金融機関が、上に書いたようなうねりを余計に増幅します。ある経営者が資本にアクセスすることが出来る時は、他の経営者もまったく同じように資金調達できてしまうのです。だからサイクルは余計に強調されてしまうというわけです。
よく「利上げは経済に悪いことがわかっているのに…なぜ利上げする?」という投資家が居ます。
実際には中央銀行がやっていることは好景気局面をなるべく長くひきのばす意図で過熱を抑えているのです。
過熱はインフレを招来します。
インフレになると実質賃金が下がるので消費は減退します。
ちょっと利上げすることで、たとえば住宅ローンが高くなる、企業の借入コストが上昇する、株式の現在価値が低下するなどのことを通じて景気は少し冷やされます。そういう風にちょっとクールダウンすることで過熱がひきおこす大崩壊を回避するわけです。
過去の景気サイクルをみると、実際にGDP成長率にブレーキがかかる前に先ず株式市場が急落するケースが常でした。このカラクリは、株価には先見性があり、未来の利益を割り引いているからです。
言い直せばGDPは「今起きていること」を報告するのに対し、株価は「これから起きること」を予期して動くものだからです。
不安が出ると、マージンコール、強制決済、流動性の蒸発などを通じて株価はあっという間に調整します。これに対してGDP統計は徐々に悪化することが多いです。だからGDP統計を確認しているだけではタイミングよく逃げることは出来ません。