ロケット・カンパニーズ
2026年7月20日 17:30
ロケット・カンパニーズ(RKT)は米国の住宅ローンのオリジネーターかつサービサーです。
オリジネーターとは、消費者が住宅ローンを組む際に、その融資を支援し、与信に必要な多くの書類を揃え、融資を実行する業者を指します。
サービサーというのはマイホームのオーナーが毎月の住宅ローンの支払いを行うのを集金し、「あと幾らローンの支払義務が残っている?」ということをマイホームのオーナーに伝える役目をすることを指します。
2025年のロケットの住宅ローンオリジネーション実績は1,160億ドルです。これは自分のブランドで事業展開している企業としては全米最大です。(いわゆる下請けの立場から、独立系の住宅ローン・オリジネーターに対して「裏方」の作業を提供している企業にユナイテッド・ホールセール・モーゲジがあります。そこの去年の実績は1,640億ドルでした)
リーマン・ショック以降、メガバンクは住宅ローンのビジネスを縮小する傾向が多いです。
その一因は、住宅ローンのビジネスは、ブームのときは儲かるけれど、暇なときはぜんぜん儲からない市況性の強い商売だということにあります。
そのサイクルを決定する最大の要因は金利であり、金利上昇局面では新規のローンが細り、低下局面では増えます。また住宅価格が値上がりし、含み利益がたくさんある局面で金利が下がり始めるとリファイナンスがブームになります。
現在フェデラルファンズ・レートは3.50〜3.75%で金利は少し高く、消費者は家を買いにくいです。だから住宅ローン市場は不活発でロケットの株価も低迷しています。
今後、利下げ期待が出てくる局面では同社株が見直される可能性があります。
ロケットをはじめとするオリジネーターが住宅ローンを組むと、その資産は数日から数週間後にはファニーメイ、フレディマックのような投資家へ売却されます。つまりロケットはあくまでもローンを組む手間に対する駄賃、オリジネーション・フィーを得るために住宅ローンを組成しており、お金の貸し手として金利収入を得ることには興味はありません。
ただし住宅ローンをファニーメイ、フレディマックに売却したあとも、サービサー(集金人)として毎月のローンの支払いの事務処理は継続します。
なぜサービサーという仕事が生まれるか?と言えば、住宅ローンはのちほど束にして証券化され、投資家から投資家へと転売される関係で、誰かがマイホームのオーナーとの関係を維持し、集金する作業を続けないといけないからです。その作業に対し、少額のフィーをもらうわけです。
ロケット・カンパニーズのサービサー部門はミスター・クーパーというブランド名で、比較的最近に買収しました。その狙いはサービサー業務を通じてマイホームのオーナーとの関係を維持し続けることで、そのオーナーがローンの借り換えを行う際、リファイナンスの商機をモノにするという魂胆があるからです。
ロケットは940万人のマイホーム・オーナーのサービサーを務めています。