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投資戦略 韓国市場+13%の空虚さ

2026年3月5日 14:01

投資戦略をアップデートします。

■戦争はメドがついたのか?
いまこれを書いているのは日本時間3月5日のザラバです。(そろそろイランのミサイルは底をついてきた)という楽観的な考えが広がりKOSDAQ指数は前日比+13%の急騰を演じています。
 
私は「今回の米国・イスラエル側の攻撃は数日で終わり、竜頭蛇尾になる」ということを繰り返し主張してきました。
 
大体、そのシナリオ通りになっています。
 
イランは撃てるミサイルが底をついてきているしミサイル発射台の多くも破壊されました。
 
アメリカ・イスラエル側も高価な迎撃ミサイルが底をついてきており、いつまでも積極作戦を続けると、極東や欧州など世界の全体で見た防衛力のバランスに悪影響を及ぼします。
 
従って、いつものパターンで華々しく始めた攻撃がいつの間にか竜頭蛇尾に終わるというのが一番自然な結末だと思います。
 
しかしそれが早く実現するかどうかは、株式市場と世論にかかっています。
 
トランプ大統領はとても株価を気にします。だから株価が下がるとTACO、すなわちすごすごチキン・アウトするのです。しかし株価がしっかりしている間は強気を維持します。
 
してみれば「KOSDAQが+13%!」と言うような展開は、無駄に戦争を長引かせてしまうので逆効果だと言えます。
 
問題は空爆だけでは相手の息の根を止めることはできない点です。
 
■時間稼ぎはイランの十八番
私はプラント建設の仕事で1983年にクウェートに赴任しました。いまから43年前の話です。そのとき、イランはいまとまったく同じで「勝ち目のない戦い」を繰り広げていました。それはイラン・イラク戦争です。
 
圧倒的に軍備に勝るイラクが、虚を突いてイランの産油地帯に進軍し、その地方を分捕ることを狙ったのが戦争の発端でした。**当時のイランも軍部の上層部はカラッポでした。**それはホメイニ師が(ひょっとしてイラン陸軍は自分に味方してくれないかも)と疑い、軍幹部を粛清してしまったからです。その代わり信頼のおける自分の「子飼い」であるイスラム革命防衛隊(IRGC)を組織しました。イラン革命でアメリカ大使館員を人質に取った関係で、世界はイランに対し武器輸出を禁止、経済制裁を受けていました。だからイラン軍の装備は不十分でした。

これをチャンスと見たサダム・フセインはイランに対して奇襲総攻撃したわけです。
 
イラクのサダム・フセインは国際世論を無視し、毒ガスを平気で使用しました。
 
このようなセットアップの中でイランは少年兵をバスラの沼沢地帯に放ち、ひと夏で30万人もの少年兵が無駄死にするというむごい作戦に出ました。「装備で勝てないなら、戦争のルールを変える」というイラン独特の発想が、このときに編み出されたわけです。
 
なお今回の空爆でイランの上層部が全部爆殺された後、IRGCのリーダーとなり、いまイランの反撃を指揮しているアリ・ラリジャニ最高国家安全保証評議長は当時の少年兵でした。
 
IRGCは設立当初からイデオロギーによって衝き動かされるゲリラ的な軍隊(つまり精神主義)で、有り体にいえば愚連隊のような柔軟さを持っています。そうする理由は、叩かれても、叩かれても、また復活できるようなレジリエンスを組織構成そのものに組み込むためです。
 
そしてイランは
「革命の輸出」に取り組みます。つまりゲリラ部隊を国外に編成することで代理戦争を展開するわけです。レバノンのヒズボラ、パレスチナのハマス、イラクのシーア派民兵、シリアのアサド政権支援、イエメンのフーシなどはすべてその例です。これらは小さな武装組織が、ミサイルやドローンや自爆攻撃で戦うやり方です。
 
そうなった理由は正面攻撃しても勝てないからであり、ここにイランの
非対称戦(アシンメトリック・ウォーフェア)の真髄があります。
 
そして
イランが何よりも得意とするのは「時間稼ぎ」です。
 
イランは「オモチャみたいな安い兵器で高価値のターゲットを破壊する」という
コスパの良い戦い方
を真骨頂としています。するとLNG船のようなテクノロジーや付加価値の塊と言えるターゲットは、最高の獲物になるわけです。
 
イランとしては、劣勢の戦争を耐え抜き、西側のぬくぬく育った国民が忘れた頃にちょっと騒動を起こせばプレッシャーをかけ続けることが出来ます。
 
私が43年前に中東に赴任した当初は、ベイルートは「中東のパリ」の華やかさが、まだ僅かに残っていました。しかしその後の代理戦争、非対称戦の影響で、最終的には瓦礫の山みたいな変わり果てた場所になってしまったのです。
 
今回、イランがこれまでの暗黙の了解を破りドバイにドローンを放ったことは、だから軽視すべきではありません。長期に渡りイランはドバイにプレッシャーをかけることが考えられるのです。
 
■民主主義のアメリカでは世論が大事
これと対照的にアメリカの大統領は選挙で選ばれるので世論を気にします。ガソリン価格が急騰すれば消費者は大統領の政策に「ダメ出し」するし、株式市場が下がればそれは大統領の成績表が下がったのと同然と受け止められます。
 
してみればマーケットが戦争に対して良く持ちこたえている限り、大統領は(あ、続けてもオッケなわけね?)という風に戦争を継続するインセンティブとなってしまうわけです。
 
■イランの脅威を本当に除去するには?
イランの核開発や地下ミサイル基地などの脅威を本当にゼロにしたければ、「Boots on the ground」、すなわちアメリカ陸軍をイランに上陸させる必要があります。アメリカは湾岸戦争やイラク戦争で実際に地上戦を戦った歴史がありますが、あまり上手く戦えなかったです。つまり地上戦のトラック・レコードは必ずしも良くないのです。
 
■戦争継続は利下げが遠のいたことを意味する
これからアメリカはサマー・ドライビング・シーズンに入ります。アメリカ人の多くはクルマでバカンスに行くからです。3月の春休み、そして6月には夏休みが始まります。このタイミングでホルムズ海峡が使用不可能になったことは、中東から一切石油を買っていないアメリカにとっても心理的なエネルギー高要因になるわけです。
 
利下げしにくくなると、ロング・デュレーション・アセットの価格は下落プレッシャーを受けます。SaaS、AIなどはいずれもロング・デュレーション・アセットです。
 
■予想
2026年末のS&P500のターゲットは5500を予想します。
 
2026年末のドル円は141円を予想します。
 
2026年末の10年債利回りは3.0%を予想します。
 
2026年末のフェデラルファンズ・レートは2.50%を予想します。
 
2026年末の失業率は4.7%を予想します。
 
2026年末の消費者物価指数は2.2%を予想します。
 
2026年末のGDPは+0.0%を予想します。