投資戦略
2026年2月13日 06:04
投資戦略をアップデートします。
■長期金利
このところ米国10年債の利回りの低下が著しいです。

(出典:トレーディングエコノミクス)
普通、こういう風に長期債が買われる(=価格が上昇すれば、利回りは低下)時は景気の先行きに暗雲がたちこめている場合が多いです。
一方、日本の10年債利回りは横這いです。

(出典:トレーディングエコノミクス)
つまり日本の景況感には暗転は感じられません。
いま為替が円高に振れているのはこのためです。

(出典:トレーディングエコノミクス)
■セクター動向
最近、米国のディフェンシブ・セクターが人気化しています。コルゲート(CL)は歯磨き粉の会社です。

(出典:マーケットサージ)
チャーチ&ドワイト(CHD)はベーキングソーダのメーカーです。

(出典:マーケットサージ)
このような景気に無関係な銘柄が買われているということも投資家が敏感に不景気の到来を感じ取っているからに他なりません。
■キャリー・トレード
日本の対外資産はグロス・ベースで1659兆円、ネット・ベースで533兆円、いわゆる円キャリー・トレードは154兆円と言われています。
上に見たように米国の長期金利と日本の長期金利の金利差が縮まると、円キャリー・トレードを維持するのはしんどくなります。
一般にキャリー・トレードが巻き戻される局面では、これまで勝ってきた投資先(米国株、米国債、ドルなど)が利喰われ、お金が本国市場(日本、円)に戻されます。その関係で円高になりやすいです。
普通、キャリー・トレードを行う際は調達側(=日本)はオーバーナイト、もしくは三ヶ月とかの短期で借ります。そして投資先(=米国)ではもう少しデュレーションの長いものに投資するわけです。いま日本の短期金利は殆ど動いていないので(キャリーが崩れる要素は無いのでは?)と考えがちです。
しかしトレーディングの現場では、保有資産のリスク分析、バリュエーションの算出、ヘッジコストなどは長期金利に振り回されます。別の言葉で言い直せば、ファンディングのテナーは短いけれど…リスク・アンカーは長いということです。
■新興国が妙味
いま米国では投資家が「成長」というものに対し懐疑的になっています。とりわけSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)などの、かつて急成長していた分野の成長ポテンシャルに関し、とても厳しい見方をし始めています。たくさんのプライベート・エクイティの資金が、このグループに投下されてきた関係で、いまプライベート・エクイティの健全性にまで疑惑の目が向けられ始めているのです。
それは「投資できる対象が無い!」という焦りにつながります。
そういう時、忘却の彼方に放置されてきた新興国やフロンティア・マーケットの株式が、急に魅力的に映りはじめるというわけです。
物色の流れからするとラテンアメリカ株がブイブイ言わせてきたわけですが、それがマレーシア(EWM)とかタイランド(THD)にも矛先が向かい始めています。このあたりが旬です。
それに加えてバングラデシュでは2月12日に総選挙が行われたばかりです。この国は選挙と言えば騒乱が起きる悪いクセがあるので、投資家はこれまで様子見を決め込んで来ました。しかし今回の選挙ではバイオレンスは無く、整然、粛々と執り行われました。
速報では下馬評通りBNP(バングラデシュ民族主義党)が単独で政権を握るようです。財務大臣にはアミール・チョードリ氏が就任すると見られています。私事になりますが、去年8月に私はチョードリ氏と昼食をともにする機会を得て、バングラデシュの未来に関し意見交換しましたが、すくなくともスコット・ベッセント米財務長官くらいソフィスティケートされたファイナンスの知見を持つ確かな人物という印象を持ちました。
あいにくバングラデシュには手頃なETFはありません。またバングラデシュ株を取引するには現地の証券会社ならびに信託銀行に口座を開設する必要があります。しかし長く放置されてきたマーケットですし、去年世界で荒れ狂った**「Gen Z革命」の先鞭をつけたのがバングラデシュで、しかも今回の選挙に見られるように見事に政治的混乱を乗り切り、ガバナンスとかアカウンタビリティをグレードアップすることに邁進する政権が誕生したということで、これを放っておく手は無いです。
BRAC EPL証券はリサーチに定評がありますしトレーディングもキッチリしています。
銘柄ですが、一押しはBRAC BANK**、二押しはスクエア・ファーマシューティカルズ、その次が**バングラデシュ・サブマリン・ケーブル(BSCPLC)**と考えています。
■予想
2026年末のS&P500のターゲットは5500を予想します。
2026年末のドル円は141円を予想します。
2026年末の10年債利回りは3.0%を予想します。
2026年末のフェデラルファンズ・レートは2.50%を予想します。
2026年末の失業率は4.7%を予想します。
2026年末の消費者物価指数は2.2%を予想します。
2026年末のGDPは+0.0%を予想します。