ノルディック・アメリカン・タンカーズ ホルムズ海峡封鎖で恩恵
2026年3月13日 01:27
ノルディック・アメリカン・タンカーズ(NAT)はホルムズ海峡封鎖で最も恩恵をこうむるタンカー会社だと思われます。
まず同社は20隻のタンカーを保有していますが、そのすべてがスエズマックスです。
スエズマックスとはスエズ運河を航行できる最も大きなタンカーという意味です。重量は15万デッドウエイト・トンです。下から二番目がスエズマックスです。

(出典:EIA)
一度に積載できる原油の量は約100万トンです。
これに対して最大のタンカーはVLCCで、一度に積載できる原油の量は200万トンです。
原油タンカーは大きければ大きいほど効率が良いので普通、業者は大きなタンカーを選好します。
実際、アラビア湾で石油を積み込んでいるアジア市場向けのタンカーはVLCCが大半です。
いまホルムズ海峡が封鎖されているので約50隻のVLCCがアラビア湾内に閉じ込められています。言い換えれば世界のVLCCのうち8%が動けなくなっているわけです。
湾岸諸国(サウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェート、カタールなど)全体の原油生産高は1,950万バレル/日です。このうちサウジアラビアの原油の7割近くは東西パイプラインにより東海岸から西海岸のヤンブーへ回送が可能です。したがってホルムズ海峡封鎖で失われた出荷量は1,050万バレル/日と見られています。
問題はヤンブーから出荷される900万バレルをどう顧客に届けるか?です。
アジアに一番近い道は紅海を南下し、バブ・エル・マンデブ海峡を通過するルートです。しかしここはイエメンに巣食うフーシーという反政府勢力が海賊行為をしている海域であり、フーシーはイランから支援を受けています。

(出典:EIA)
バブ・エル・マンデブもホルムズ海峡同様、機雷を敷設されるリスクがあります。
そこで原油をスエズマックスに積み、まずスエズ運河を通過し、地中海に抜け、それから中国を目指すと15,000マイルの航行距離になります。これは通常の2倍です。
航行距離が長くなると所要日数は3.5週間に伸びるため、1日幾ら?で用船料が決まっている関係でタンカー会社はウハウハ儲かるというわけです。