SBエナジー
2026年9月3日 03:20
SBエナジー(SBE)がIPOに向けてS-1を提出しました。現時点では株数や価格設定は空欄です。
同社は今の時点ではレガシーのソーラーならびにストレージ事業を除きほとんどビジネスの実体はありません。
ただオープンAI、ならびにソフトバンクが利用するために大きなデータセンターをいくつか建設する野望を持っています。
現時点では完成し、稼働しているデータセンターはありません。
そんなわけで、同社の2025年度の売上高は、レガシーのソーラーならびにバッテリー・プロジェクトから2.14億ドルの売上高が計上されているのみです。これは取るに足らない売上高です。
特に興味をひくのは2026年上半期で、1.39億ドルの売上高に対し利益は32億ドルという大赤字になっています。
これはワラントのフェアバリューの変動に起因する、帳簿上だけの(=ノン・キャッシュ)損、25.7億ドルが含まれているからです。
SBエナジーはオープンAIにデータセンターを使ってもらうため、インセンティブとしてオープンAIにワラントを割り当てました。行使価格は0.01ドルですので、実質的にタダで差し上げたのと同じです。
現在、オープンAIはSBエナジーのワラント399.2万株を保有しています。
言い直せば、SBエナジーがオープンAIにワラントを通じてお金を払うことで無理矢理顧客になってもらったという形容の仕方ができると思います。
しかもこのワラントの費用は、SBエナジーの事業が上手く行き、時価評価が上がれば上がるほど膨れ上がる仕組みになっています。恐ろしいワラントです。
SBエナジーの受注残は4,390億ドルという巨額なもので、8.8ギガワットのキャパシティを提供する契約となっています。しかし上に述べたようなカタチで「SBエナジーの方からお金を出して受注残を買っている」状態ですので、あまり感心できません。
データセンターが完成した暁には、現時点で契約できている外部顧客はオープンAIだけです。
SBエナジーの最大のプロジェクトはオハイオに建設中の巨大なデータセンターで、もしオープンAIがその代金を支払えなかった場合、エヌビディアが連帯保証人になることが発表されています。
私は長く投資銀行に勤めていた関係で、数百にのぼるIPO売出し目論見書に接してきたのですが、SBエナジーのプロスペクタスはその中でも1、2を争う醜悪な内容です。