投資戦略
2026年6月26日 19:38
投資戦略をアップデートします。
■時期外れな大型増資
最近のメモリー価格の高騰を受け、韓国のSKハイニックスが米国預託証券を発行することで約290億ドルの資金調達を計画していると発表しました。この公募で得られたお金で同社は生産キャパシティを拡充します。
いまウォール街は夏休みの期間中で、バイサイドもセルサイドも一軍はトレーディングルームにいません。このタイミングで大型ディールを強行するのはリスクが高いです。
■サプライ・レスポンス
経済学的に言えばこれは典型的なサプライ・レスポンスです。
サプライ・レスポンスとは価格の上昇(=これを経済学では「価格シグナル」と言います)を受けて供給を増やす決断をすることを指します。

(出典:ウィキペディア)
いま青いSは供給を示し、赤いDは需要を示します。価格が高い時(P1)、メーカーは供給を増やすことで対応します。上で示したSKハイニックスがその典型的な例です。
しかし高価格は需要を破壊しますので、メーカーが「増産する!」という決断をしているまさにその頃、消費者は「すこし控えたほうがいいな」と考え始めるわけです。最近、一部の大手ハイテク企業が「社員のAI利用を本当に業務に必要なことだけに限定する!」などのお触れを出しています。それはコストを抑えたいという経営者の苦渋の決断に他なりません。
またアップルはメモリー価格の上昇で利幅を維持できなくなったので、極めて異例で季節外れな臨時値上げを発表しました。投資家はこれを「アップル製品が売れなくなるぞ!」と判断し、アップル株が急落しました。これなども需要破壊の例と言えると思います。
■メモリー価格は無限に上昇できない
需要が破壊されるとメーカーが価格を下げてこないといけない(P2)わけで、現在の高いメモリー価格が高止まりするかどうかは、ひとえにAIデータセンターの建設が今後も続くかどうかにかかっているのです。
AIデータセンターは株式による資金調達、債券による資金調達など、外部資金に依存しています。
いまのところAI関連の資金調達は無事できています。アルファベット(GOOG)、スペースX(SPCX)などのディールは成功裡に終わっています。
しかしアフターマーケットでのこれらの株価が下がると、後味の悪さを投資家に残し、それはゆくゆくIPOのウインドウが閉じることを招くかもしれません。
アンソロピックやオープンAIは秋にもIPOする計画だったのですが、昨日になってオープンAIは事業の採算性のソロバンが狂ったため、IPOを来年に延期すると言われ始めています。
IPOができないのなら、AIデータセンターの建設費用を捻出できません。それはメモリーへの需要も減るリスクがあるということです。
■参考銘柄
キーウスター(KYIV)
■予想
2026年末のS&P500のターゲットは7,250を予想します。
2026年末のドル円は165円を予想します。
2026年末の10年債利回りは4.50%を予想します。
2026年末のフェデラルファンズ・レートは3.75%を予想します。
2026年末の失業率は4.40%を予想します。
2026年末の消費者物価指数は4.00%を予想します。
2026年末のGDPは+1.50%を予想します。