Kシェイプト・エコノミー
2026年1月3日 19:32
Kシェイプト・エコノミーとはアルファベットのKのカタチをした経済という意味で、富める者はよりリッチになり、貧乏な者はより貧しくなるような構造的欠陥を孕んだ経済を指します。
Kシェイプト・エコノミーでは「GDPは伸びているのに……なぜか自分の暮らし向きは良くならない」ということが起きます。
統計データを見る限りでは社会は繁栄しているように見えるけれど、それは超裕福層が平均値を歪めているからであって大多数の国民は実質賃金の下落などの生活苦を経験します。
Kシェイプト・エコノミーでは資産を持っているか? ということが重要で、株式、不動産、自分の事業の所有を通じて富が増えます。
Kシェイプト・エコノミーで恩恵を良くする、資産を持っている人たちは、リモート・ワークもしやすいですし、税金の安い場所へリロケーションすることも出来ます。
一方、Kシェイプト・エコノミーで不利な立場に置かれる人たちは主に給与所得に依存しており、対面などの仕事の現場で働いていて、賃貸住宅に住んでいます。
過去50年間のS&P500指数の配当を含めたトータル・リターンは、インフレ修正後のトゥルーCAGRで8.56%でした。過去10年ではそれがさらに加速し、10.27%になっています。
過去50年間の米国の実質(=インフレ修正後)賃金上昇は年率+0.2%、過去10年間ではほぼ0%でした。
このことからもKシェイプト・エコノミーは人々の感じ方の問題ではなく、現実に起こっている事実だということがわかります。
なぜKシェイプト・エコノミーを放置するとよくないか? と言えば、それは教育、ヘルスケア、栄養取得の格差を招きますし経済の変化に対応したスキルの取得を遅らせ、労働生産性の伸びの鈍化を招くからです。また慢性的な高失業率を招くリスクもあります。
政治的には、ゼロサム的な考え方をする人が増え、ポピュリズムの台頭を招きます。社会への信頼は低下し、経済の成長に国民全体が参加することができにくくなります。
このような社会が是正された過去の実績を見ると、それは戦争により平準化が起きたケースが殆どです。具体的には英国の貴族階級が2つの世界大戦で没落した例がこれにあたります。
最近、個人投資家のデイトレ・ブームが起きています。これは「Get rich quick!」すなわち短期トレードで稼いで、はやくKシェイプト・エコノミーの「負け組」から抜け出そうという「あがき」に他なりません。それを実現するひとつのハックがレバレッジの使用というわけです。
このため2倍、3倍ETFとか、個別株ETFとか、プレディクション・マーケット(=早い話、賭け事)などが人気になっています。そのユーザーの大半は資産が極めて少ない個人投資家です。
1929年の「暗黒の木曜日」も、1990年の東京マーケットの崩壊も、2000年のドットコムバブル崩壊も、2007年のリーマン・ショックも、いずれもレバレッジが災いを招きました。
レバレッジを用いることで裕福層との差を詰めようとすることは危険だと思います。