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アルナイラム・ファーマシューティカルズ

2025年12月8日 19:54

アルナイラム・ファーマシューティカルズ(ALNY)はボストン近郊のケンブリッジに本社のあるバイオ企業です。

同社は遺伝子のスイッチを制御するRNA干渉(RNAi)技術をもっており、それを利用して医薬品の研究開発を行っています。
 
これまでに米国食品医薬品局(FDA)から承認された薬は;
 
オンパットロ
アムヴトラ
ギブラーリ
オクスルモ
 
です。
 
このうちオンパットロはもうパテント切れが近いし、後継薬アムヴトラが既に市場に出ているので重要では無いです。
 
重要な順で言えばアムヴトラ、ギブラーリ、オクスルモになります。
 
アムヴトラは肝臓におけるmRNAをターゲットとし、異常なタンパク質の産生を抑制する薬です。おもな対象はトランスサイレチン型アミロイドーシス(TTRアミロイドーシス)という遺伝性神経障害です。
 
これに加え、今年から**心アミロイドーシス(ATTR-CM)**に対してもアムヴトラを投与して良いというラベル拡大が許されました。三ヶ月に一回の皮下注射で、心臓にアミロイドがたまる病気を抑制できるわけです。ATTR-CM市場は患者数が25万人と言われており今はファイザーのヴィンダマックスがリードしています。アムヴトラはそこへ殴り込みをかけているわけですが、たぶんファイザーに勝てると思います。
 
その根拠としてまずアムヴトラは心臓発作ならびに死亡の事例(−36%)を確実に減らしています。
 
ヴィンダマックスが、悪いタンパク質の動きを緩慢にするお薬なのに対し、アムヴトラは、そもそもそういう悪いタンパク質を作らせないことを目指しており、根本治癒に肉薄しているわけです。
 
ヴィンダマックスは毎日錠剤を飲むのでラクですが、アムヴトラは三ヶ月に1回病院に行かないといけないので便利さから言えばヴィンダマックスのほうが勝ちます。でもお医者さん目線では確実に結果を出せるアムヴトラのほうを推奨、処方する可能性があります。
 
価格面ではヴィンダマックスの年間価格は27万ドル、アムヴトラは48万ドルなのでアムヴトラのほうが高く、これが国によってはハードルになります。
 
アムヴトラは保守的に考えて2030年頃に50億ドルくらいの年間売上高に成長すると思われます。
 
ギブラーリは肝臓で働く酵素、ALA-シンターゼ1(ALAS1)の発現を抑えます。腹痛、神経症状などの代謝異常疾患を予防する目的で一ヶ月に一回皮下注射します。急性肝性ポルフィリン症(AHP)は希少疾患で、薬価が高いです。パテントは2034年頃まで有効で長期の安定収益源になると思います。
 
オクスルモは肝臓がオキサラートを過剰に作ってしまう病気(PH1=腎結石、腎不全の原因)の治療薬です。中規模な市場ですが安定しています。

(出典:マーケットサージ)