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AIデータセンター企業が半導体を過小償却している会計疑惑でエヌビディア株が急落

2025年11月26日 00:32

今日CNBCで「AIデータセンターを運営している企業がGPUの本当の寿命よりも遥かに長い償却期間を設定することで利益の嵩上げを行っている」という疑惑が話題になり、それがもとでエヌビディア(NVDA)株が急落しました。

背景を説明すると、いまアルファベット、アマゾン、メタなどに代表されるハイパースケーラーは積極的に設備投資を行っています。
 
そのような設備投資は、それを行った直後の損益計算書(P&L)に対するインパクトはゼロですが、いずれ米国で一般的に受け入れられている会計基準にのっとり、減価償却してゆく必要があります。それは利益を計算する際、引き算されなければいけません。
 
普通、5年から7年の償却期間が使われます。
 
仮に5年とすれば四半期ごとに設備投資額の20分の1(=1年×4四半期×5年)づつそのコストを引き算しないといけないのです。
 
だから設備投資をすればするほど、後の償却負担は重くのしかかってきて、それはハイパースケーラーの利益圧迫要因となります。
 
ところが償却期間を長く設定すれば毎四半期の償却負担はその分小さくてすむわけです。
 
今日テレビで話題になった「ハイパースケーラーはわざと償却期間を長く伸ばし、利益を過大に報告しているのでは?」という疑惑はここから生じているわけです。
 
実際のところエヌビディアは1年おきくらいのペースで新しいGPUを発表しており、そのたびごとにパフォーマンスが飛躍的に伸びているので、3年前に購入したGPUはもう競争力を失っているわけです。
 
するとこの半導体の実際の「賞味期間」と、会計上の残存価値との間に齟齬が生じることはおわかり頂けると思います。
 
もし半導体が2~3年で陳腐化するのなら、競争上、新しいチップに更新する必要が生じるのでハイパースケーラーのキャッシュはどんどん費消されます。しかし会計上はもっとゆっくり償却されているわけですから利益は手元のキャッシュとはウラハラに順調に伸びているように報告されてしまいます。
 
それはある時点で設備の減損処理をしないといけないので、「ドカン!」と大きな損が出るわけです。
 
今日は主にエヌビディア株がこのニュースで下げていますが、これは半導体メーカーの問題というよりもAIデータセンターの問題であり、いずれアルファベット(GOOG)、アマゾン(AMZN)、マイクロソフト(MSFT)、メタ(META)らはこの問題について立場を明らかにしなければいけない日が来ると思います。