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米大手銀行がゼル(Zelle)の海外展開を発表 ステーブルコインがその決済に利用されることはほぼ確実

2025年10月25日 23:47

米大手銀行がこれまで米国内に限られてきた**ゼル(Zelle)**送金サービスを国際展開してゆきたい考えを表明しました。

ゼルとは米国に銀行口座を持っている個人が、同じく米国に銀行口座を持っている人に、ほぼゼロ手数料でお金を送金できるサービスです。ゼルの月次アクティブユーザー数は7000万人です。
 
ゼルの仕組みですが、電子メール・アドレスを利用した銀行間連絡システムEWSACH(小切手クリアリングハウス)という2つのシステムを同時に利用することで、ほぼ無料に近いコストで個人が別の個人にお金を送金することが出来る仕組みです。
 
EWSはJPモルガン・チェース、ウエルズファーゴなどの米国大手銀行によって所有されています。
 
ACHは1972年に設立された決済機関で、小切手を一同に集め、それを振出人の銀行へ照合するシステムです。
 
銀行サービスはお国柄が出やすいです。たとえば日本には現金書留封筒というものが存在しますが、アメリカ人はお金を封筒に入れて送るという行為に驚きます。それではアメリカ人はどうやってお金を送っているか? と言えば、伝統的にそれは小切手でした。ゼルはこの小切手のインフラストラクチャを利用することで低コストのサービスを実現しているわけです。
 
その関係もありゼルは米国内ではポピュラーですが海外ではその存在を殆ど知られていませんでした。
 
今回、米国の大手銀行が「ゼルを海外展開する!」と言った場合、サービスの配管部分を構成しているACHに代わる、新しい決済インフラが必要になるわけです。その部分をステーブルコインにやらせればいいのではないか?というのが今回の発表なわけです。
 
これは**サークル(CRCL)**にとって大きな株価刺激材料です。なぜならサークルの出しているUSDC、EURCなどのステーブルコインがそのバックエンドに採用される可能性があるし、大手銀行が独自のステーブルコインをイシューする場合でも、色々な海外金融機関とのインターフェースはサークルのインフラストラクチャを通さざるを得ないからです。そんなこんなで、サークルが部分的にせよゼルの海外サービスの縁の下の力持ちの役回りを演じる確率はたぶん70%くらいあると思います。

なおステーブルコインで最大手のテザーは「閉じたネットワーク」なので、この手の決済サービスには向きません。
 
もしサークルのUSDC、あるいはEURCがこれに使われる場合、同社が預金者のドルやユーロをUASC、EURCに両替する仕事を担当することになり、そこで入金されたお金は短期市場で運用され、同社の収入になります。
 
海外ゼル・サービスが定着すればこれまでの電信送金(Wire)やハワラ(Hawala)、ハンディ(Hundi)と言うような非正規チャンネルを利用した送金サービスが海外ゼルに取って代わられる可能性があります。

(出典:マーケットサージ)