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ASTスペースモバイル

2025年10月8日 23:48

**ASTスペースモバイル(ASTS)**は低軌道(LEO)衛星の大型アレイ・アンテナをちょうど地上にある携帯のセル・タワーのように活用し、みんなが日頃使っているケータイをアップグレードする必要なく、普通なら携帯のシグナルが届かないような遠隔地でも携帯サービスを受けられるシステムを開発しています。

10月8日、ASTSは**ベライゾン(VZ)**と組み、北米地域で宇宙からの携帯ブロードバンド・サービスを開始すると発表しました。これを受けてASTSの株価は急騰しています。

(出典:マーケットサージ)

しかし実際の課金がどのような値段で行われるか?レイテンシーの問題は?というような詳細はニュース・リリースにはなく、現時点では漠然とした業務提携に他なりません。またベライゾンは通常のケータイのサービスの「Add on(追加)」としてこのサービスを1日、ひと月、通常のカバレッジが届かず通話が切れた場合の「保険」もしくは「バックアップ」として販売することが予想され、課金パッケージを決定するのはASTSではなくあくまでもケータイ会社であると予想されます。
 
そのような事情から、今回のようなアナウンスメントがASTSに安定的な売上高をもたらすとは考えにくいです。(実際、ASTSのサービスは未だフルには開始されていません)
 
同社の低軌道衛星は「ブルーバード」と呼ばれており、比較的大きな低軌道人工衛星です。まだ5基のプロトタイプ人工衛星しか打ち上げられていません。

(出典:ASTスペースモバイル)

同様のサービスをやっている会社にスターリンクがありますが、スターリンクの場合、ユーザーが大きなパラボラアンテナを自宅に設置する必要があります。スターリンクはすでに沢山の人工衛星を低軌道に打ち上げているので数の上ではリードしています。
 
ASTの人工衛星は地表から700キロメートルの上空を飛んでいる関係で
往復80~120ミリセカンドのレイテンシー
となっています。これは普通の5Gが5から30ミリセカンドであることに比べると悪いです。スターリンクのディッシュを使った通信では70ミリセカンドのレイテンシーがあります。

現状としてはASTスペースモバイルは「ストーリー株」の域を出ておらず黒字化の目処は立っていません。またビジネスモデルが商売として成り立ち得るかどうかもわかりません。