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フュエルセル(燃料電池)

2025年10月7日 16:22

フュエルセル(燃料電池)とは、水素などの燃料と酸素を化学反応させることで電気エネルギーを直接取り出す装置を指します。内燃機関のように燃焼によって動力を得るのではなく、化学反応を通じて発電する点が特徴です。たとえば宇宙ステーションの動力源になっていると説明すれば、大体その特性を理解して頂けると思います。

いま1990年代に乱舞したフュエルセル銘柄が再び株式市場でオモチャにされています。
 
当時は1997年に京都議定書が採択された直後で、脱炭素・環境保全がテーマとなっていました。石油に代わるクリーンエネルギー社会というストーリーでフュエルセル株が注目されたのです。
 
しかし水素の貯蔵・輸送コストが高い、触媒(白金)の高コストの壁に阻まれ、商業化しませんでした。
 
結果としてプラグパワー(PLUG)、フュエルセル・エナジー(FCE)などの株価は100分の1になりました。
 
**現在でもフュエルセルの構造的な高コスト問題は何ら解決していません。**ところが「なんでもかんでも騰がる」最近のバブル相場でフュエルセルにも物色の矛先が回ってきています。
 
強いて言えば2022年に米国で成立したインフレ抑制法でフュエルセルが税控除の対象になったことで補助金を当て込んだ経営計画が出始めていることが違いと言えそうです。
 
EVは充電しないといけないので船舶などではフュエルセルのほうが適しているという場合も一部存在します。
 
スウェーデン、デンマーク、ドイツでは地方電力会社がフュエルセルを季節間貯蔵を目的とした電力調整用に導入しています。
 
ブルーム・エナジー(BE)は水素を燃料とせず、固体酸化物形燃料電池(SOFC)を採用しています。これは800度という高温で作動するシステムですが、天然ガスやバイオガスなども直接利用可能なので、水素の配達網に依存しません。電解質は酸化ジルコニウム、主な用途は無停電の特性を活かしデータセンターや病院のバックアップ電源です。収益モデルは設備の販売と電力の販売です。高温なので材料の劣化が起きるため、ブレード型にデザインされたモジュールを定期的に差し替える必要が出ます。2025年第2四半期の売上高は約4億ドル、株価収益率は160倍を超えており割高です。

(出典:マーケットサージ)

プラグパワー(PLUG)は水素を主燃料とする低温PEM燃料電池の会社で作動温度は60度です。主にウォルマートのフォークリフトなどに使われています。触媒に白金を使用している関係でコストの引き下げには限界があります。また水素の配達インフラストラクチャがしっかり確立していないと導入しにくいです。それらの特性を考えると普及は限定的です。2025年第2四半期売上高は1.7億ドルで大赤字です。水素をベースとしたPEM燃料電池は、そもそも競争力が無いので永遠に黒字化は達成されないリスクがあります。株価は割高です。

(出典:マーケットサージ)

フュエルセル・エナジー(FCEL)は溶融炭酸塩(MCFC)を利用する燃料電池の会社で天然ガスが燃料です。作動温度は600度です。大型定置用燃料電池プラントが主要製品で顧客は電力会社、自治体などになります。既存の天然ガス網、もしくはバイオガスを利用できる場所にしか設置できません。
2025年第2四半期の売上高は4670万ドルで大赤字です。この企業も
永遠に黒字化は達成できない
と思います。

(出典:マーケットサージ)

いまフュエルセル銘柄に言及する理由は近い将来、ある時点で空売り候補になると思うからです。