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TKMS

2025年10月5日 00:34

ドイツのTKMSはティッセンクルップ・マリタイムシステムズの略です。年末までに親会社ティッセンクルップからスピンオフされます。

最近、ロシアはEUに対しハイブリッド・ウォーを仕掛けていると言われています。ハイブリッド・ウォーとは従来の戦争に加えて、サイバーアタック、風説の流布、ドローンによる威嚇、要人の毒殺などで敵を揺さぶることを指します。
 
これに呼応するカタチでNATOはロシアの脅威に対する準備に力を入れています。
 
ハッキリ言ってNATOが大急ぎでやらないといけないことは155ミリ榴弾の補充です。次に重要なのはパトリオットのような迎撃ミサイルを増やすことです。ドローン攻撃に対する防御も充実させる必要があります。それに比べると海軍の増強は優先順位は低いです。
 
ロシアは222の艦船、79の潜水艦を保有しています。そのうち核弾頭を搭載できる原子力潜水艦は14隻です。全般に装備は旧式でNATOに比べると見劣りします。
 
ロシアの海軍はウラジオストック、クリミア、バルト海(カリーニングラード州バルティスク)に散らばっており、それぞれのシアターに対し他から援軍を送ることがとても難しいです。
 
現在、ロシアはキャリバー、ズルコン、オニックスといった艦船から発射できる巡航ミサイルを中心に投資しています。
 
一方、米国、英国、フランスは強い海軍を持っています。これに比べドイツはやや見劣りします。今年、ドイツは1兆ユーロの軍事・インフラストラクチャ投資の予算を可決し、これから海軍もテコ入れしてゆくわけですがTKMSはその際カギを握る兵器メーカーのひとつです。特に212A潜水艦はAIPと呼ばれるフュエルセルを用いたシステムを採用、長期で海中に潜れる特性を持っています。

(出典:TKMS)

バルト海は平均水深が50メートルくらいしかなく、潜水艦が動き回りにくいです。したがって最も重要な戦い方は「静かに身を潜めて、動かない」というやり方になります。ディーゼル型潜水艦はどうしても新鮮な空気を必要とするため、一定の時間が経ったあと、浮上せざるを得ません。これに対しAIP技術を使うと長期に渡って潜ったままでOKです。
 
バルト海に配備されたロシアの潜水艦は旧式なのが2隻です。これに対しNATOはドイツの212Aが6隻、スウェーデンが4隻となっています。

TKMSは2033年までに同社のターゲット市場の規模は現在の2倍になると予想しています。現在の受注残は186億ユーロです。

(出典:TKMS)

TKMS株はいまは未だ上場されていませんが、スピンオフが完了すれば取引できるようになります。