アイシェアーズMSCI香港ETF
2025年10月1日 12:09
アイシェアーズMSCI香港ETF(EWH)は香港株に投資するETFです。
1839年のアヘン戦争後、1842年に締結された南京条約で香港島は清朝からイギリスに割譲されましたが1984年の英中共同声明で香港返還が決定され、1997年に返還が実現しました。2019年のデモの後、2020年に香港国家安全維持法が施行され、外資金融機関がシンガポールなどへ転出、香港の市場は長期に低迷してきました。
しかしシンガポールのコストが上昇したことを受けて最近ようやく香港が見直され始めています。
まずグレードAオフィスの賃料は香港が12米ドル/平方フィートに対しシンガポールが11米ドルとほぼ差がなくなっています。オフィス空室率は香港が17.4%に対しシンガポールが5.2%と、香港の方が物件があります。香港では新しいオフィスの供給が借り手の需要を下回る、いわゆる供給の吸収がポジティブに転じています。
住宅市場に目を転じると、中国本土の住宅市場はデベロッパー主導型で巨大なブームの後、いまは長年に渡る調整局面に入っています。これと対照的に香港の場合、金融センターの地位を背景として高額所得者向けの物件が取引の中心となってきました。
中国政府は当初香港が築いたユニークな金融センターとしての価値をそれほど貴重だとは考えず、冷ややかでしたが、今はそのメリットに気付いています。
香港の住宅市場は2018年以来、−28%前後の調整を見ましたが、いまは底入れしつつあります。
IPOや裕福層向け資産運用サービスなども盛り返す兆しを見せています。
香港ドルは米ドルにペッグされており香港金融管理局は4000億ドルの外貨準備があるためこのペッグを容易に維持できると思われています。**米国で利下げが始めると香港の金利も低下します。**香港の住宅ローンの8割はHIBORもしくはプライム・レートにリンクされているため、米国での利下げは香港の住宅市場にとっても良い影響を与えることが予想されます。
アイシェアーズMSCI香港ETFは保険会社AIAを筆頭に銀行、不動産会社で占められています。
香港の不動産セクターは李嘉誠のCKアセット・ホールディングス(パシフィック・センチュリーなど)、李兆基のヘンダーソン・ランド(IFC 2など)、郭得勝のSHKP(ICCタワーなど)、鄭裕彤のニューワールド・デベロップメント(K11など)といった大物に牛耳られています。