投資戦略
2025年9月23日 23:06
投資戦略をアップデートします。
■ルーブル危機の再来?
最近、新興国のニュースが多くなっています。具体的にはアルゼンチンのブエノスアイレス地方選挙でミレイ大統領の政党が大敗し、それを契機にペソが急落したエピソードが注目を集めました。これは米国のスコット・ベッセント財務長官が支援を発表し、すこし落ち着きを取り戻しています。それ以外にもフィリピンで大きなデモ行進がありましたし、インドネシアやネパールではデモ行進が暴徒化する事例が報じられました。
新型コロナ後の経済再開時にボトルネック・インフレから米国が政策金利を高止まりさせたこと、折からのAIブームなどで世界の投資資金は米国に向かいました。そのとばっちりを受ける格好でそれ以外の国々、とりわけ新興国には資金が回ってこなくなっています。
これは1998年頃の様子に酷似しています。あのとき、米国はドットコム・ブームの真っ只中で、世界のお金は米国を目指しました。その一方で東南アジア諸国やロシアはやりくりが困難になりました。タイランドから始まったアジア通貨危機はインドネシアなどの東南アジア諸国に飛び火し、ロシアもデフォルトしました。
そこで(今回も同じことが起こる?)ということを投資家は心配しはじめています。
あの当時と今回が似ている点は;
1. 米国のテクノロジー・セクターが人気化している
2. 高金利
3. 新興国の借入が多い(=これは新型コロナの景気対策に起因しています)
その反面、1998年当時と現在では違う点もあります;
1. 当時は多くの新興国通貨がドル・ペッグ制だった。いまは違う。
2. 過去の苦い経験から外貨準備を多めに積み上げている国が多い
3. GDP対負債比率を抑えている国が多い
4. 昨日の米国によるアルゼンチンへの支援に見られるように国際協力体制がある
リスクの高い国で言うと;
アルゼンチンGDP対政府負債比率が59%と高い。慢性的なインフレ体質。
トルコ 国内での資本の蓄積が少ない。外貨建て借入が多い。リラ安。
ハンガリー 国の借入に占める外貨建て債務が多い。
その他、コロンビア、ペルー、チリ、マレーシアも高リスク国と言えそうです。トランプ関税以降、**中国はアメリカ以外の国へ集中豪雨的に輸出しており、それが新興国の国内産業を圧迫しています。**不穏なニュースが増えている遠因はここにあると思います。
ここまでの話をまとめると、現在の状況は1998年のルーブル危機の頃とだいぶ似たような展開になってきているけれど…当時といまとでは明らかな違いもあり、今回のほうが全般として中身は良いと思います。
**新興国に本格的に投資資金が回ってくるためには、まず米国株が大幅な調整を経験、米国の景気が悪化し、連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを繰り返し、ドル安になる必要があります。**そうなれば新興国投資の条件が揃うわけです。
■相場観
9・10月は厳しい相場になると予想します。いまはキャッシュポジションを高く保ち、余計なことはやらないほうがいいです。
■銘柄
【金融】
BRAC BANK(バングラデシュ現地株)
【製薬】
Novartis (NVS)
■予想
2025年末のS&P500のターゲットは5500を予想します。(不変)
2025年末のドル円は128円を予想します。(不変)
2025年末の10年債利回りは3.9%を予想します。(不変)
2025年末のフェデラルファンズ・レートは3.50%を予想します。(不変)
2025年末の失業率は4.5%を予想します。(不変)
2025年末の消費者物価指数は2.7%を予想します。(不変)
2025年末のGDPは+0.5%を予想します。(不変)