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投資戦略

2025年9月13日 00:11

投資戦略をアップデートします。

■そろばんが合わない
9月9日オラクル(ORCL)が4,550億ドルという巨額の残存パフォーマンス義務(RPO)を発表して翌日株価が+35%ぶっ飛んだ事件がありました。
 
これはオラクルが今後ChatGPTの親会社、オープンAIと本格的に一緒に仕事することを高らかに宣言したと受け止めることが出来ます。実際、4,550億ドルのうち、3,000億ドルくらいがオープンAIからの売上になる予定です。
 
しかし……
 
(ん?計算…合わないのじゃない?)
 
という印象が否めません。なぜならオープンAIの売上高は次のように推移すると見られているからです;
 
2025年 100億ドル
2026年 300億ドル(前年比+200%)
2027年 600億ドル(+100%)
2028年 1,000億ドル(+67%)
2029年 1,450億ドル(+45%)
2030年 2,000億ドル(+38%)
 
いま世界の7億人のひとたちがChatGPTを利用していますが、そのうち課金顧客は3%前後と言われています。一番成功しているChatGPTでも今年の年間売上高は100億ドルなので、あとの企業は推して知るべしという感じでしょう。
 
これとは別に9月10日にマイクロソフト(MSFT)とオープンAIが、オープンAIの営利企業への転換に関し、基本合意に達したというニュースがありました。そこではオープンAIの営利子会社の時価評価を5,000億ドル(=先ほどの2025年のオープンAIの売上高を代入するとPSRは50倍)と見積もり、その20%、すなわち1,000億ドル分をオープンAIの非営利団体が所有するという内容です。マイクロソフトは2015年にオープンAIにまず10億ドル支援し、その後でマイクロソフト・アジュールを無償で使わせてあげるというカタチで実質的に100億ドルの支援をしました。この110億ドルが、1,000億ドル(但しオープンAI株主と共有)になって戻ってくるわけです。
 
さて、営利子会社は新規株式公開(IPO)候補です。いま5,000億ドルのバリュエーションのうちせいぜい20%くらいしかIPOできないと考えれば、最大限で調達できる資金は1,000億ドルということになります。
 
すると…先程の3,000億ドルの支払いと比べてみると、そろばんが全然合わない(笑)
 
つまりオラクルがまんまとこのRPO通りの売上高を上げるためにはオープンAIのIPOが成功したくらいでは足らないのです。
 
実際、オラクルの側でも未だ4,550億ドルの役務を果たせるだけのデータセンターのキャパシティを持ち合わせていないです。それはスターゲートというソフトバンクを含むコンソーシアムがこれから資金調達し、建設してゆくわけです。建設に際してはプレイベート・クレジットなどを利用すると予想されます。しかし全額が調達できる保証は無いです。
 
つまり今回の一連のニュースは、データセンターを作る側も、それを利用する顧客の側も、そのような大金は持ち合わせておらず、しかもバリュエーションのそろばんが全然合わないので「絵に描いた餅」に終わるリスクが高いのです。
 
オープンAIのビジネスは非常にコストのかかるビジネスです。なぜならインファレンスを処理するコストが高いから。するとAIのビジネスは永遠にウェブ企業と同じような利益率を達成することは困難と考えたほうが自然です。私なら、そういう旨味が少ないビジネスに高いバリュエーションを付与することは、しません。
 
■相場観
9・10月は厳しい相場になると予想します。いまはキャッシュポジションを高く保ち、余計なことはやらないほうがいいです。
 
■銘柄
【金融】
BRAC BANK(バングラデシュ現地株)
Grupo Financiero Galicia(アルゼンチンNasdaq: GGAL)
Circle Internet Group(CRCL)
 
【製薬】
Novartis (NVS)
 
■予想
2025年末のS&P500のターゲットは5500を予想します。(不変)
 
2025年末のドル円は128円を予想します。(不変)
 
2025年末の10年債利回りは3.9%を予想します。(旧予想4.0%)
 
2025年末のフェデラルファンズ・レートは3.50%を予想します。(不変)
 
2025年末の失業率は4.5%を予想します。(不変)
 
2025年末の消費者物価指数は2.7%を予想します。(旧予想2.5%)
 
2025年末のGDPは+0.5%を予想します。(不変)