投資戦略 自然体+観察
2025年8月31日 10:54
投資戦略をアップデートします。
■自然体+観察に徹する
9月1日(月)はレーバーデーで米国株は休場です。9月2日(火)の立会はこれから年末までの相場を占う上で最も重要な立会日だと言えます。そして金曜日までの4日のウイークリーパフォーマンスをしっかり見極めることがたいせつです。
日本では桜が咲く4月が新年度入りのタイミングであり、新しく会社員になった若者たちが社会人のスタートを切るのもその時期です。
これと対象的にアメリカ人は9月の声を聞くと腕まくりし、学業や仕事に精を出すわけです。
普段不真面目なアメリカ人が急に真面目になるときは、大体ろくなことないというのが40年近くアメリカで暮らしてきた私の持論であり、ガードを高くした状態でレーバーデー明けの相場に臨むということが習慣になっています。
1929年はアメリカの大恐慌の発端となった**「暗黒の木曜日」が起きた年として記憶されていますが、あの年の辛い相場は9月5日のレーバーデー明けの立会日に端を発します。その日「バブソン・ブレイク」と呼ばれる下げで秋相場が始まったのです。これはロジャー・バブソンというエコノミストで相場のコメンテーターでもある人がマサチューセッツ州のウエルズレーで「遅かれ早かれ大暴落が来る」という予言をしたことがキッカケです。実はその前からバブソンは何度も同様の警鐘を鳴らしており、タイミング的に彼の予言が的中したというよりは、ややオオカミ少年化した彼の予言がようやくまともにマスコミに取り上げられたのがたまたま新年度入りのその日だったというのが真相です。
当時ベンチマークとされていた株価指数はダウ工業株価平均指数であり、その日は−3%でした。
その時、場味の暗転を冷静に観察した投資家は株式市場から足を抜き始めたのですが、大部分の投資は「押し目買い!」のスタンスを維持しました。しかし9月、10月とダラダラ安が続き、DJIAはバブソン・ブレイク前の最高値381から10月24日の「暗黒の木曜日」の直前までに305付近まで下落していました。
「暗黒の木曜日」には一日で−11%の下げを演じ、当時としては空前の出来高である1290万株が取引されました。
そして11月14日に相場が目先のボトムを付けたときDJIAは198迄下落していました。
もっと最近の例では2008年のレーバーデー明けが思い出されます。あの年のレーバーデーも今年と同じ9月1日で、レーバーデー明けの相場はサブプライム問題が引き起こした信用の緊縮で波乱の展開となりました。9月7日にファニーメイ、フレディマックが政府から救済され、9月15日にリーマン・ブラザーズが6000億ドルを超える大型倒産を演じました。その日、同じく経営危機に陥ったメリルリンチはバンク・オブ・アメリカに救済合併されました。
この時もレーバーデー明けの場味の変化を敏感に感じ取った投資家は最悪の事態を回避できたのです。
■何を見る?
9月2日以降の一週間で投資家が注目すべき第一番目のポイントは為替です。ドル安になるかどうかに注目してください。もしドル安ということであれば、これまで絶好調だった米国経済に陰りが出ていることを示唆していると考えることが出来ます。
次に株式市場では指数そのものの上げ・下げも重要ですが、それ以上に「どのセクターがアウトパフォームしている?」というセクター動向に注意を払ってください。
もし食品、飲料、日標品などのディフェンシブ・セクターが買われているのなら、株式の投資家はリセッションの到来に身構えていることになります。
最近、米国の長短金利差は開いているのですが、それが一層拡大するかどうかにも注意を払ってください。もし拡大した場合、市場参加者はインフレの悪化、米国の財政の悪化などを織り込みに行っている可能性があります。ひょっとすると連邦巡回控訴裁判所がトランプの相互関税を違憲とした判決を市場が嫌気する可能性もありますので、それにも注目する必要があります。
■対処法
現時点では勝手な思い込みからシナリオを決めてかかるのはもってのほかです。心をカラッポにし、観察に徹すること。
もしドル安という線が浮上したシナリオでは、世界の大半の投資家が米国株をオーバーウエイトしている関係で怒涛のリパトリエーションが起こるリスクがあります。
もしそうなった場合、米国とコリレーション(相関性)が低い市場、たとえばバングラデシュ株式市場が良いと思います。
トランプ関税以降、中国のメーカーは持て余した生産力をどうにかするためアメリカ以外の市場、とりわけ新興国でダンピングを行っています。この安売り攻勢で新興国の製造業は大打撃を受けておりインドネシアでは暴動に発展しそうな雲行きになっています。**したがって新興国が全部「買い!」ということではなく、個々の国で起きている出来事をしっかり観察する必要があります。私の観察するところではバングラデシュの内容が際立って良いです。
■相場観
9・10月は厳しい相場になると予想します。いまはキャッシュポジションを高く保ち、余計なことはやらないほうがいいです。
マーケットとしては米国株と連動性が無いバングラデシュが良いです。
■銘柄
【銀行保険】
BRAC BANK(バングラデシュ現地株)

(出典:トレーディングビュー)
■予想
2025年末のS&P500のターゲットは5500を予想します。(不変)
2025年末のドル円は128円を予想します。(不変)
2025年末の10年債利回りは4.2%を予想します。(不変)
2025年末のフェデラルファンズ・レートは3.75%を予想します。(不変)
2025年末の失業率は4.4%を予想します。(不変)
2025年末の消費者物価指数は2.5%を予想します。(不変)
2025年末のGDPは+0.5%を予想します。(不変)