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連邦巡回控訴裁判所がトランプ政権の国際緊急経済権限法を利用した相互関税を違憲と判断

2025年8月31日 04:38

連邦巡回控訴裁判所が相互関税を「憲法違反だ」と判断しました。

事の発端は5月にニューヨークにある国際貿易裁判所が相互関税は違憲だという判決を下したことにあります。
 
これに対しトランプ政権は連邦巡回控訴裁判所に上訴しました。金曜日マーケットが引けた後、11人居る連邦巡回控訴裁判所の判事は賛成4,反対7でトランプ政権の上訴を棄却しました。
 
相互関税は国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいて発動されたのですが、連邦巡回控訴裁判所は戦争の時などに使われるIEEPAは平和な現在に援用できないし、そもそもIEEPAの中には関税や税金に関する記述は見当たらないとしました。
 
米国の憲法では関税や税金など国庫の歳入歳出に影響を与える事柄に関しては議会、とりわけ下院が審議開始の権限を持つことになっています。つまり立法府の仕事というわけです。
 
トランプ政権は行政府であり、この場合、立法府から特別に「大統領に下駄を預ける」という合意を取り付けない限り、独自の判断で関税を決めることは出来ません。ちなみに「スーパー301条項」のような別の文脈での関税は議会が大統領に判断を一任しています。2月にトランプが大統領になって以降発動された一部の関税はそのような状況に依拠しています。それが今回の関税に占める割合は30%程度です。
 
しかし相互関税はIEEPAを法的根拠としており、こちらの方は今回「越権行為だ!」という判断が下ったというわけです。

もし相互関税が違憲となると連邦政府の赤字は向こう10年で2兆ドル以上増える計算になります。これはドル安要因です。
 
トランプ政権は最高裁に上訴すると思われます。最高裁は共和党の大統領が指名した判事が過半数を占めている関係でトランプ政権が逆転勝訴する可能性も残っています。
 
しかしいずれにせよ今回の敗北でせっかく片付いたと思われていた関税論議がふたたび蒸し返されることになり、そうでなくても戸惑っている産業界は(やれやれ)とため息をついています。
 
そしてこれは関税を巡る不透明感が払拭されないことを意味します。
 
 投資家は何よりも不確実性を嫌います。
 
その意味でレーバーデーの三連休に入るタイミングでこの悪材料が出たということは火曜日から始まるレーバーデー明けの相場が厳しいものになることを示唆しています。