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【株式投資を根本からやり直すシリーズ6】世界の株式市場

2025年6月16日 07:10

このシリーズのねらい
このシリーズは既に僕の弟子になっているある若者に対するレター形式で書かれています。全部で10回あります。
 
世界のGDP
世界のGDPは113.8兆ドルです。世界の名目GDPは年率7%程度で成長しています。そこからインフレ率を引き算すると実質GDP成長率は2.8%程度になります。新興国は先進国に比べて実質GDP成長率も高いですしインフレ率も高い傾向があります。ドルベースでみた世界各国のGDPシェアは次のようになっています。

(出典:トレーディングエコノミクス)

新興国、フロンティアマーケットなどは「その他」に含まれます。
 
機関投資家が世界に投資する場合、ベンチマークとして使っているMSCI ACWI指数によれば、現在指数に占める米国の割合は63.72%、日本は4.84%、英国は3.35%…という風になっています。つまり株式市場における評価としては米国市場の評価が極端に高く(GDPと比較してください)、その他の国々が低評価に甘んじているわけです。
 
アメリカにはアップル、マイクロソフト、エヌビディア、グーグル、テスラなどの企業があり、ここ10年以上、それらのテクノロジー企業が世界をリードしてきたことが米国の高評価の原因だと言えます。かつてこれらの企業は極めて高い成長率を誇っていたのですが、いまはエヌビディアを除いておしなべて低い成長率になっています。低い成長しか出来なくなっている企業が高い評価を維持し続けるとは考えにくいので、今後、これらの大型ハイテク株のバリュエーションが剥落すると同時にアメリカが世界の株式市場に占めるシェアも低下してゆくと考えるのが自然です。
 
あなたの場合、少なくともあと40年はアクティブに株式投資を行ってゆくわけだから、そういう長期的展望で有望な市場に注意を払う必要があります。
 
あなたは「中流(ミドルクラス)」という言葉を聞いたことがあると思います。それは文字通り「中くらいの所得階層」を指すわけだけれどこれについては世界共通のひとつの定義があるわけではなく、ミドルクラスの定義は国によってまちまちです。しかしミドルクラスがどんどん増えている国や地域では経済の発展も急速になることが知られています。
 
昔はミドルクラスは存在しませんでした。存在していたのは国王、特権階級、僧侶などであり、さもなくば農奴が大半を占めていたと思います。ごく一部の職人が専門的な技術で生計を立てていましたが、それは例外的と言えるでしょう。
 
このような状況が変わったのは産業革命によるところが大きいです。1849年に英国で世界博覧会が開催され、それと同じ年にハロッズ百貨店がオープンしました。一方それより3年後の1852年にはパリにボンマルシェ百貨店がオープンしました。これらの百貨店は新たに購買力をつけた中流の存在がなければ存在しえなかったと思います。この時点で世界の中流の数は800万人、世界の人口の0.7%に過ぎなかったのです。いま、世界の人口は80億人で、そのうち中流は40応仁だと言われています。してみれば中流とはAbility to live the good lifeを持った人達という風に定義できます。私が良く言う、アスピレーションというものが重要なのです。昔の固定的な社会階層構造ではアスピレーションを持つこと自体がたいへん困難でした。しかし今は世界にアスピレーションを持った人々は沢山います。とりわけグローバルサウスと呼ばれるインド、バングラデシュ、サウジアラビア、ナイジェリア、メキシコ、アルゼンチン、ガーナ、ブラジルなどの国々の人々がこれに相当します。いまグローバルサウスには15億人のミドルクラスが存在しますが、これが5年後には30億人に増えると言われています。その80%はグローバルサウスに住んでいるわけです。
 
あなたの場合、ドバイに住んでいてドバイ国際空港を良く利用すると思いますが、デューティーフリー・ショップで買い物をしている旅行者の大半はインド人とか南アジアのひとたちだということに気がつくと思います。これはある意味、世界の未来を象徴していると言えます。ドバイほど未来を先取りしている都市は無いのです。