【株式投資を根本からやり直すシリーズ 5】利益
2025年6月10日 13:55
このシリーズのねらい
このシリーズは既に僕の弟子になっているある若者に対するレター形式で書かれています。全部で10回あります。
利益
企業が商品やサービスを販売して得た総収入は売上高と呼ばれます。そこから原価、販管費、減価償却費、支払利息、法人税を引き算した最終的に手元に残るお金を純利益と言います。これを発行済み株式数で割り算すると一株当たり利益(EPS)が求められます。
米国の代表的株価指数であるS&P500のEPSは2006年から2024年までの19年間に$83.20から$243.00に増えました。年平均成長率は5.80%でした。

(出典:ファクトセット)
同じ期間のS&P500指数の年平均成長率(配当込み)は10.66%でした。いま配当を除外し、インフレ率を差し引いた年平均成長率を計算すると5.84%でした。
S&P500指数の配当利回りは1.20%です。
同じ期間の平均インフレ率(CPI)は2.54%でした。

(出典:IMF)
すこし雑な議論になるけれど、株式のリターンは;
利益成長率 + 配当利回り + インフレ率
と考えれば良いわけです。
それでも辻褄が合わない部分はマルチプル・エクスパンション、つまり投資家が(このくらいの値段なら払っても良いな)と感じるバリュエーション=PERが拡大したと解釈できます。
逆に利益が成長しているにもかかわらず株式のリターンが下がった場合はマルチプル・コントラクション、つまり投資家のマインドが萎縮したと理解できます。
いずれにせよ利益の増減が株式のリターンに重要なインパクトをあたえることが上の説明でおわかり頂けると思います。
米国の上場企業の場合、四半期ごとに決算を発表する必要があります。証券会社のアナリストたちはそれぞれの企業の売上高やEPSを予想します。それらの予想数字を集計し平均値を出したものがコンセンサス予想ということになります。投資家は発表される決算がコンセンサス予想を上回る(=ポジティブ・サプライズ)かどうかを注視しています。
コンセンサスを上回る決算は**「良い決算」**、そうでないものは「悪い決算」という評価になります。良い決算を出し続ける企業の株は大きく値上がりしやすいです。
ここで重要なので「良い決算」はクセになるし、「悪い決算」もクセになりやすいということです。
あなたは学生の時、成績優秀でしたが、自分が学生だった時を思い出して下さい。成績優秀者は常にトップ集団を走っていて、普段成績が悪い生徒が突然成績が良くなり始めるということは稀だったと思います。
企業もまったくこれと同じで良い決算を出す企業は次も、その次も、良い決算を出すことが多いです。良い決算を出し続けることができる企業の株を買って下さい。