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大きくて美しい財政法案上院投票を前に共和党の足並みが乱れ始めた

2025年6月9日 10:57

大きくて美しい財政法案は今月の24日頃までに上院で投票に付される必要があります。なぜなら議会が夏休みに入ってしまうからです。ところがここへ来て上院の53%過半数を占めている共和党議員の足並みが乱れ始めています。イーロン・マスクが同法案に対して「反吐が出る」と批判を加えたこともある程度は影響しているかも知れませんが、それより選挙区の利害を代弁する各議員の思惑の相違が表面化してきていることが原因です。

投票に先立ち、ジョン・スーン院内総務(共和党)は上院案を固める必要があるのですが、それが紛糾しています。
 
すでに下院は先月に下院案を可決、それを上院に回したわけですが、このままでは上院案は下院案にかなり改変を加えなければいけないことは必至であり、その場合、上院案が可決されても今一度今度は上院案を下院で投票にかける必要が生じます。
 
下院案は、僅か1票差で可決されていることから、せっかく上院案が可決されても、今度は下院を通らないリスクが出てきました。
 
現在、上院が揉めているのは主にメディケイド(低所得者医療保険制度)の削減の度合い、クリーン・エネルギー補助金、栄養補助金などを巡ってです。
 
上院が下院案とはかなり違ったものになる場合、それを下院が承認する際に下院の財政保守派が今度は強硬に反対するリスクが高まりました。その理由はイーロン・マスクが向こう10年で2.4兆ドルも赤字を増やしてしまう同法案の財政規律の欠如を痛烈に批判したからです。
 
同法案には連邦債務上限の引き上げ条項も含まれており、もし法案の成立が遅れれば米国がテクニカル・デフォルトするリスクも未だ完全には払拭されていません。