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イングランド銀行を破産させた男、ジョージ・ソロスの哲学が、今年の相場にピッタリ当てはまる

2025年5月27日 17:03

ヘッジファンド・マネージャー、ジョージ・ソロスは「イングランド銀行を破産させた男」として知られています。

彼は1992年9月16日に起きたポンド危機でポンドを空売りし、大儲けしたので、人々は彼をそう呼んだのです。
 
当時英国はEUの通貨統合の前段階として各国の通貨を一定の範囲内に揃える、ERM(エクスチェンジ・レート・メカニズム)と呼ばれるシステムに参加していました。
 
ところが英国の経済の基礎的要件は弱く、ポンドは実力より高く評価されすぎていると多くの投資家が見抜きました。
 
それまでの常識は「ERMは欧州各国が協調してやっていることなので市場もそれに敬意を払うだろう」というものでした。
 
しかしソロスは**「ゲームのルールが変わる!」と察知し、ポンドの脆弱性を激しく突いたのです。
 
このときはソロスは、イチの子分、スタン・ドラッケンミラーに対し、「徹底的に行け!」とポンド売りを指示しました。ドラッケンミラーはボスの大胆不敵さに感心したそうです。
 
2025年という年も、ポンド危機が発生した1992年と同じように「ゲームのルールが変わった!」年です。
 
これまでは「アメリカの覇権は不動。米国株をポートフォリオの中心に据えることこそが正しい戦略」ということが
金科玉条の如く盲信**されてきました。誰もそれにチャレンジしようとしなかったのです。
 
結果として過去10年間の間にドル資産(米国債、米国株)には累計で30兆ドルを超える資金が世界から飛び込んできました。その結果、世界の投資家は米国資産を極端にオーバーウエイトしてしまったのです。
 
今年1月のS&P500の株価収益率(PER)は過去12ヶ月の実績ひと株当り利益に基づき26倍で、リーマンショック前に米国市場が高値をつけた時のPERとほぼ同じでした。
 
それにも関わらず投資家は楽観論を崩さなかったのです。
 
関税は、それを導入する側の国(今回は米国)でインフレを招来、産業の競争力を殺ぐということは、大学で経済学を専攻した学生さんなら誰もが習う常識です。
 
しかしトランプ関税では現政権におもねるカタチで皆がこの経済原則を無視し、関税に賛同しました。
 
その結果(いずれ米国には不況が来る)と考える市場参加者が増え、ちょうどジョージ・ソロスがポンドを売り崩したのと同じように、ドル売りが面白いように成功したのです。
 
ドル円は三尊天井のネックライン付近に来ており、予断を許さない状況です。

(出典:トレーディングエコノミクス)

この水準を下に切り、ドルが一層下落するには新しい材料が必要だと思いますが、このチャートに見るようにドルのダウンサイドは大きいので今後のニュースには気をつける必要があります。
 
それといま世界の投資家は「ドル売り」のマインドになっており、基調として米国株や米国債を処分し、いびつなどほオーバーウエイトになっていたドル資産を減らしている真っ最中なので、ドルにはそのような売り圧力が働いていることを理解すべきです。

言い換えれば関税で「ゲームのルールが変わり」ドルの脆弱性を多くの投資家がいま激しく突きに行こうとしているのです。