投資戦略
2025年5月22日 17:04
投資戦略をアップデートします。
■米国長期ソブリン格付けダウングレードに対する市場の反応
先週末、ムーディーズが米国の長期ソブリン格付けをダウングレードし、米国がトリプルAを正式に失ったことに対し(一体市場はどう反応する?)ということをトレーダーたちは息を呑んで見守りました。
これまでのところ反応は小さいです。
米国の長期債は売られ、ドルも小幅安、株式も少し下がった程度です。
連邦債務上限引き上げ問題を討議している下院共和党の議員さんたちはそれをみて安心し、また仲間割れしています。昨日(5月21日)は結局「大きくて美しい法案」は投票に持ち込むことができませんでした。だから今日、もう一度仕切り直しするらしいです。
■ドルは、あたかも新興国通貨のような値動きをしている
ところで普通先進国では金利先行き見通しが上方修正されれば(それが今アメリカに起きていることです)その國の通貨は強含むケースが多いです。
いまは逆に長期金利が上昇してもドルは売られています。これはあたかもドルがトルコやアルゼンチンのような新興国の通貨みたいな動き方をしているという風にも形容できます。
そしてその事実は「徐々に資本が米国からそれ以外の国に抜け始めている」ことを示唆しています。
■提灯筋の次の一手
私がよく受ける質問に「米国株が下がった場合、フロンティアマーケットやドイツ株も下がるのではありませんか?」というものがあります。今週の、ここまでの展開では、それは最小限でした。つまり連動性はそれほど高く無かったです。
それは**「ドイツ株やフロンティアマーケットは引かれ腰が強い!」という印象を投資家に与え始めています。
実際、私が言及することが多い銘柄のレラティブ・ストレンクス・ランキングを見ると:
DB 97
VEON 97
BBVA 95
ALIZY 93
BSAC 93
EWG 92
NVDA 74
AMZN 61
GOOG 40
AAPL 30
などとなっています。レラティブ・ストレンクス・ランキングとは、ある銘柄が米国に上場されているすべての銘柄(ADRを含む)の中で相対的に見てどのくらい値動きが良い、つまり上がっているか?を示す指標であり、アウトパフォーマンスの度合いを瞬時に把握できる利点があります。
通常、レラティブ・ストレンクス・ランキングは過去12ヶ月の値動きを対象としており、さらに最近の値動きほど比重を大きくして「最近のこの株の値動きは強いの?」ということを良く表すようにデザインされています。レラティブ・ストレンクス・ランキングで97なら、これは米国市場に上場されている全銘柄のトップ3%という風に読みます。
ここで注目されるのは日本の個人投資家が好きなGAFAとかのランキングは意外に低いということです。
株価の勢いに注目して飛び乗る銘柄を決める、いわゆるモメンタム投資家は、このレラティブ・ストレンクス・ランキングを重視します。**
もう一度上のデータを見ると、ドイツ株、ラテン株などが高い数値を示していることに気付きます。それはモメンタム筋がこれらの銘柄にいずれ注目する可能性があることを示唆しています。
■銘柄
【小売】
LPP(ワルシャワ現地株)
【レジャー海運】
ターリンク(エストニア現地株)
【石油天然ガス】
ダイヤモンドバック・エナジー(FANG)
【素材】
サザン・カッパー(SCCO)
【銀行保険】
BBVA(BBVA)
BRAC BANK(バングラデシュ現地株)
ドイツ銀行(DB)
アリアンツ(ALIZY)
HDFC銀行(HDB)
バンコ・サンタンデール・チリ(BSAC)
【通信インターネットサービス】
ヴィーオン(VEON)
プロサス(PRX AEB=アムステルダム取引所)
コーエンサークル(CCIR)
【航空機製造】
ボーイング(BA)
【カントリーETF】
ドイツETF(EWG)
メキシコETF(EWW)
インド小型株ETF(SMIN)
チリETF(ECH)
コロンビアETF(GXG)
■予想
2025年末のS&P500のターゲットは5500を予想します。(不変)
2025年末のドル円は141円を予想します。(不変)
2025年末の10年債利回りは3.7%を予想します。(不変)
2025年末のフェデラルファンズ・レートは3.75%を予想します。(不変)
2025年末の失業率は4.4%を予想します。(不変)
2025年末の消費者物価指数は2.2%を予想します。(不変)
2025年末のGDPは+0.5%を予想します。(不変)