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投資戦略

2025年5月17日 14:36

投資戦略をアップデートします。

■米国長期ソブリン格付けトリプルA剥奪
金曜日の夜、格付け機関ムーディーズが米国の長期ソブリン格付けをダウングレードしました。既にS&Pとフィッチは一足先にダウングレード済みなので、これで正式に米国はトリプルA格を失ったことになります。
 
■マーケットへのインパクト
長期ソブリン格付けは1.債券、2.為替、3.株式の順で重要です。だから目先は米国債の動きに注目する必要があります。普通に考えれば米国の長期債が売り圧力にさらされることが予想されます。
 
ドルは売りプレッシャーを浴びるでしょう。
 
米国株への影響は当面は限定的かも知れません。言い直せば、冷静に対処し、ポートフォリオの入れ替えをするチャンスが未だ残っているかも。
 
具体的には金曜日のS&P500指数の引け値は5,958.38でした。トリプルA剥奪のニュースで5月12日に開けた窓を取りにゆくことが予想されます。つまりダウンサイド・ターゲットは向こう一週間くらいで5,714を覚悟する必要があります。

(出典:マーケットサージ)

ただ金曜日のムーディーズによるダウングレードのニュースで、米国下院は「これは内輪揉めしている場合じゃないぞ!」と気付き、大急ぎで「大きくて美しい財政法案」を可決に持ち込む公算が高いです。だからマーケットは切り返す希望も、未だ残っているということです。
 
その場合、再び今年の高値、6,147.43めがけて米国株は上昇に転じるでしょう。テクニカル・チャート的には「カップ・ウィズ・ハンドル」のカップが完成し、「紅茶カップの柄の部分」を形成するパターンに入る可能性も十分にあります。つまり6~7月は期待と不安に満ちた、エキサイティングなマーケットになるのです。
 
しかしウォルマートは既に「関税で仕入れコストが高くなったので、これからどんどん値上げする」とシグナルしています。ウォルマートは米国最大の小売業者なので、そこが「値上げする!」と言えば他社も一斉に値上げする号令が鳴ったも同然、これから米国経済は値上げ圧力がどんどん顕在化することは間違いありません。
 
それはインフレを意味し、連邦準備制度理事会(FRB)は利下げしにくくなることを意味します。
 
また消費はこれまで意外に堅調でしたが、次々に値上げが発表されるとセンチメントは悪化する懸念があります。リセッション・リスクがあるわけです。
 
そんな、こんなで、S&P500が今年の高値6,147.43を超えて新波動に入るのは「間違いなくそうなる!」とは言い切れないです。
 
ところで巨大機関投資家は三ヶ月程度の市場の動きでアセット・アロケーションの変更を完了できるわけではなく、もっと時間をかけてゆっくりとポートフォリオを入れ替えるものです。
 
今回、米国はトリプルAを剥奪されたわけだけれど、ドルをだんだんアンダーウエイトしてゆくトレンドは、未だ端緒についたばかりと考えるべきです。
 
外人投資家は過去10年間に米国の株式、債券を32兆ドル買い足しました。これは空前の水準であり、オーバーウエイト過ぎます。上に述べた急落後の戻り局面では、巨大機関投資家の米国売りが出ることが予想されます。したがって
夏から秋にかけての相場が厳しいものになるというシナリオを現時点では堅持
します。
 
いま、ふっと横を見ると、**既にドイツ市場などはアメリカが未だ達成していない新値を達成し、新波動に入り、青空天井を更新中なので、素直に考えれば、こっちを買ったほうが遥かに楽です。**ちなみに年初来パフォーマンスはドイツが+19.4%、米国が+1.3%、日本が−5.4%です。
 
 
■銘柄
【小売】
LPP(ワルシャワ現地株)
 
【レジャー海運】
ターリンク(エストニア現地株)
 
【石油天然ガス】
ダイヤモンドバック・エナジー(FANG)
 
【素材】
サザン・カッパー(SCCO)
 
【銀行保険】
BBVA(BBVA)
BRAC BANK(バングラデシュ現地株)
ドイツ銀行(DB)
アリアンツ(ALIZY)
HDFC銀行(HDB)
バンコ・サンタンデール・チリ(BSAC)
 
【通信インターネットサービス】
ヴィーオン(VEON)
プロサス(PRX AEB=アムステルダム取引所)
コーエンサークル(CCIR)
 
【航空機製造】
ボーイング(BA)
 
【カントリーETF】
ドイツETF(EWG)
メキシコETF(EWW)
インド小型株ETF(SMIN)
チリETF(ECH)
コロンビアETF(GXG)
 
■予想
2025年末のS&P500のターゲットは5500を予想します。(不変)
 
2025年末のドル円は141円を予想します。(不変)
 
2025年末の10年債利回りは3.7%を予想します。(不変)
 
2025年末のフェデラルファンズ・レートは3.75%を予想します。(不変)
 
2025年末の失業率は4.4%を予想します。(不変)
 
2025年末の消費者物価指数は2.2%を予想します。(不変)
 
2025年末のGDPは+0.5%を予想します。(不変)