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投資戦略

2025年5月8日 04:43

投資戦略をアップデートします。

■利下げは7月30日以降へお預け
5月7日の連邦公開市場委員会(FOMC)では現行の政策金利4.25%から4.50%が堅持されました。パウエル議長の記者会見では次の6月18日のFOMCから利下げが開始されるというヒントは一切出ませんでした。先制攻撃的に利下げをしなければいけない要素はまったくないし、いまの労働市場は利下げを全く必要としていないというのがパウエル議長の答弁でした。
 
米国経済が直面している高インフレや高失業率をどう回避する? というのはひとえにトランプ政権の関税政策にかかっており、これから相互関税に関する各国との折衝が佳境を迎えることもあって、いまはFRBの方ではなくホワイトハウスの方を向いてマクロ経済への含蓄をよく考えていかないといけない局面です。
 
■トランプ関税がやり遂げられる理由
トランプ大統領はマーケットに配慮し関税をトーンダウンしています。しかしそれは
関税がフェードアウトすることを意味しません。

 
アメリカにおける大学進学率は男性34%、女性44%と女性のほうが10パーセンテージポイント上回っています。ちなみに日本は男性61%、女性55%です。
 
アメリカの事例をもう少し細かくみると白人・ヒスパニック男性の大学進学率が低いことが目立ちます。彼らは授業料の高い大学へ進学し借金を負うより自動車修理工場などにサッサと就職し手に職を付けたいという願望を持っているわけです。
 
一方、教育、医療、社会福祉(これらを総称してHEALといいます)分野は雇用全体の16%なのですが、今後、米国の雇用市場で最も伸びしろがある分野だと考えられています。これらの分野はとりわけ女性の就業率が高いです。したがって職にありつける可能性は女性のほうが男性より高いといえます。
 
また大卒の平均給与は高卒の2倍近いので、大学進学率の高い女性が男性より高い所得の伸びを得る可能性があります。
 
このような社会の流れは、若い男性将来への不安を与えています。2014年にサンタバーバラで起きたミソジニストによる女子大生連続射殺事件、#MeToo、ウォーク(Woke)など男性、女性間での様々な軋轢が近年顕著です。
 
中西部に多い製造業の工場などの「良い仕事」がどんどんアメリカから消滅しているという危機感は、主に高卒男性の間で強く感じられています。
 
そのような男性は、つながりを求め、YouTubeの男性ポッドキャストに群がり、さらに自己肯定感をUPする目的で筋トレにいそしみます。
 
そうして生まれたアメリカのBroカルチャーは、日本人には理解しにくいです。両国の雇用市場の構造が違う点が理解を困難にしていると思います。
 
2024年の大統領選挙でトランプが勝利した一因として18~29歳の若年男性の56%がトランプに投票したからだと言われています。彼らはポッドキャスト、YouTubeを通じてトランプ支持へと傾いたわけです。
 
してみれば「関税による米国中西部の製造業の復権!」というテーマはトランプ政権にとって引き続き重要な政策課題であり、関税はBroたちにとってトランプ政権の仕事ぶりを測る重要なチェック項目といえます。これが関税が無くならない理由です。
 
■相場観
いま米国市場はサマーラリー局面にあります。しかし7月2日には相互関税の90日延長が終わりますし、連邦債務上限引き上げ問題も8月頃までには決着をつける必要があります。格付け機関が米国の長期ソブリン格付けトリプルAを剥奪するリスクもあります。それらの事から考えて、マーケットがこのまま新しいブル相場へ入っていくというよりはいまは「ブルトラップ(強気のわな)」である可能性のほうが高いでしょう。
 
したがって米国株が高い局面では引き続き米国株のウエイトを下げ、ドイツやフロンティアマーケットへ資金を移すことをオススメします。
 
イツ、バングラデシュ、メキシコ、インド、チリ、コロンビアなどが良いと思います。
 
■銘柄
 
【銀行保険】
BBVA(BBVA)
BRAC BANK(バングラデシュ現地株)
ドイツ銀行(DB)
アリアンツ(ALIZY)
HDFC銀行(HDB)
バンコ・サンタンデール・チリ(BSAC)
 
【通信インターネットサービス】
ヴィーオン(VEON)
プロサス(PRX AEB=アムステルダム取引所)
コーエンサークル(CCIR)
 
【航空機製造】
ボーイング(BA)
 
【カントリーETF】
ドイツETF(EWG)
メキシコETF(EWW)
インド小型株ETF(SMIN)
チリETF(ECH)
コロンビアETF(GXG)
 
■予想
2025年末のS&P500のターゲットは5500を予想します。(不変)
 
2025年末のドル円は128円を予想します。(不変)
 
2025年末の10年債利回りは3.7%を予想します。(不変)
 
2025年末のフェデラルファンズ・レートは3.25%を予想します。(不変)
 
2025年末の失業率は4.7%を予想します。(不変)
 
2025年末の消費者物価指数は2.2%を予想します。(不変)
 
2025年末のGDPは+0.5%を予想します。(不変)