トランプ関税で海外直接投資の流れが変わる
2025年4月26日 18:09
海外直接投資(FDI: Foreign Direct Investment)とは企業が別の国に子会社を設立する、工場を建てるというタイプの投資を指します。この種の投資では技術やノウハウが投資先の国にもたらされるので、その国の成長が加速するケースが多いです。
アメリカは主に完成品を輸入しており、市場も大きく、SUVやスマホに代表される、どちらかといえば付加価値の高い製品の買い手です。
これまでアメリカ市場で強さを誇ってきた中国が145%の関税で締め出されることになると中国が低関税国へ工場移転するなどの過程を経て技術移転が進む可能性があります。
既にアップルはゆくゆく米国向けiPhoneをすべてインド製にすると発表しています。
このことからもわかるように今回の関税でインドやメキシコは製造業のグレードアップのチャンスを得ました。逆にベトナムは高い関税率がかけられることが予想されるため、中国同様不利な立場に立たされています。
投資の観点からこれが何を意味するか? と言えば、高い成長が見込まれるスイート・スポットに位置する国がこれまでの中国やベトナムからインドやバングラデシュに移ることを意味します。
折から中国の購買力平価修正後一人当たりGDPは既に23,000ドルを超えており、コスト競争力を失う水準に来ています。

(出典:トレーディングエコノミクス)
ベトナムの購買力平価修正後一人当たりGDPは14,000ドルを超えており、こちらも労働力のやすさを売り物に競争することが次第に難しくなっています。

(出典:トレーディングエコノミクス)
その点、インドは未だ9,700ドルです。

(出典:トレーディングエコノミクス)
バングラデシュはそれに僅かに遅れる8,500ドルを超えた水準です。

(出典:トレーディングエコノミクス)
インドは積極的なインフラ投資を行っており、それは今後労働生産性が飛躍的に向上することの前兆と考えることが出来ます。
いわゆる**中流(ミドルクラス)の人口が急増しており、道路も整備されはじめている関係で、マイカー・ブームが始まろうとしています。現在インドの人口1,000人当り19台の自動車が走っています。
一方バングラデシュでは人口1,000人当り2.5台の自動車しか走っていません。バングラデシュもインドに遅れること後数年で、ミドルクラスがちからをつけてきて、消費文化が開花すると思います。
さて、投資の方法ですがインドの場合、ウィズダムツリー・インド収益ファンド(EPI)というETFがあります。またHDFC銀行(HDB)、ICICI銀行(IBN)**などの銀行株も良いと思います。
バングラデシュは日本で買えるETFも米国預託証券(ADR)もありません。したがって現地の証券会社に口座を開設して直接売買するしかないです。すでに約100人前後の日本人個人投資家が今年に入って現地証券口座を開設した模様です。
バングラデシュの経済のファンダメンタルズはおおむねしっかりしています。大きな政治改革で政府、企業のガバナンスも大幅に向上が見込まれています。