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トランプがパウエル議長解任に動くと為替はどうなる?

2025年4月20日 05:19

先週、トランプが連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の仕事ぶりを批判するツイートをし、「2026年の任期切れまで待てない!」と解任を匂わせました。

FRB議長は大統領が指名し上院が批准するという手続きを経て決まります。しかしひとたび着任したFRB議長を大統領が解任することができるか? という点に関しては法律には規定がありません。
 
アメリカでは法律に明確に書かれていない事柄に関しては過去の最高裁判所の判例をもとにして合法性を決めるというしきたりがあります。
 
大統領が連邦政府機関の長を解任しようとした例では1935年の最高裁判例**「ハンフリーズ・エグゼキュター」が有名です。
 
ウイリアム・ハンフリーは連邦公正取引委員会(FTC)の委員長でした。彼はフランクリンDルーズベルト大統領が打ち出したニューディール政策に反対しました。そこでルーズベルト大統領はウイリアム・ハンフリーをFTC委員長から解任しようとしました。それは最高裁で争われ、最高裁はハンフリーを支持しました。係争中にハンフリーは他界したので、不当に支払われなかったFTC委員長の給与の支払いを巡ってハンフリーの遺産相続管財人(エグゼキュター)が遺族に代わって原告となったのです。
 
FTCとFRBは違うので、もしトランプがパウエルを解任しようとし、それが裁判沙汰になれば、最高裁の判決は「ハンフリーズ・エグゼキュター」の判例とは違う判決になる可能性も無いとは言えません。
 
パウエル自身はもともと弁護士であり、後に投資銀行ディロンリード、プライベートエクイティーのカーライル・グループというキャリアを歩みました。もともと弁護士だった関係で、このような裁判の機微には精通しています。また個人資産という点でも大富豪なので、難なく裁判費用を工面することが出来ると言われています。
 
パウエルは自分のキャリアの総仕上げとしてFRB議長をつとめているわけで、「大統領からのプレッシャーに屈した!」という
悪いレガシーを残したくない
と考えています。またこれが裁判沙汰になると為替市場、債券市場、株式市場は大荒れになるリスクがあるので、市場を後ろ盾につけているパウエルの方が有利に裁判を進めることが出来ます。
 
そういうことを理解し、トランプは「解任!」を言い渡す一歩手前のところで止めているというのが現状だと思います。
 
ただトランプは
ツイ廃なので、ちょっとアタマに血がのぼったタイミングで「お前はクビだ!」という、例の十八番のセリフ**をツイートしてしまうかも知れません。
 
その場合、急激なドル安になることが予想されます。
 
そもそもトランプは米国中西部の製造業の復活を演出しようとして関税を始め様々な方策を打ち出しているのであり、ドル安になったらかえって好都合という風に受け止めるかも知れません。
 
米国株は年初から−10%前後下げているわけですが、ドルも年初から−10%近く下げており、日本の投資家の目線では、株価と為替でダブルで痛い目に遭っています。
 
トランプは何を言い出し始めるか予測不可能であり、本人もわざとそういう不確実性を演出することでアナウンスメント効果をMAXにしているフシがあります。
 
投資家が取れる自己防衛策としては、そもそもそのような不確実性を内包した米国株、ドルを避け、どのようなシナリオでも余り影響を受けにくい投資対象…たとえばバングラデシュ株(=米国株との相関性は無いです)とかに注目したほうが、よっぽど怪我がないと思います。

最後に私の現在の注目銘柄を再掲しておきます。

【銀行保険】
BBVA(BBVA)
BRAC BANK(バングラデシュ現地株)
ドイツ銀行(DB)
アリアンツ(ALIZY)
HDFC銀行(HDB)
バンコ・サンタンデール・チリ(BSAC)
 
【通信インターネットサービス】
ヴィーオン(VEON)
プロサス(PRX AEB=アムステルダム取引所)
コーエンサークル(CCIR)
ヤッラー(YALA)
 
【航空機製造】
ボーイング(BA)
 
【カントリーETF】
ドイツETF(EWG)
メキシコETF(EWW)
インド小型株ETF(SMIN)
チリETF(ECH)
コロンビアETF(GXG)