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投資戦略

2025年4月12日 18:34

投資戦略をアップデートします。

■まとめ
先週の米国株は4月7日に4,835のザラバ安値を付け、かろうじて反転を開始しています。しかしその後も債券、為替市場はぎくしゃくした動きをしており、この戻りが**「ブルトラップ」になるリスクも消えてはいません。
 
トランプ大統領は(マーケットが神経質な動きをしたせいで、相互関税は手加減せざるを得なかったけれど……7月10日には仕切り直しする!)と決めています。
 
従って
関税問題は「解消」したのではなく、「先送り」されただけです。
 
足下の米国経済は錯綜するニュースにもかかわらず、しっかりしています。2025年第1四半期決算発表シーズンが先週から始まっていますが、いまのところ
異変は出ていません。**
 
それらを総合して考えると、目先、相場がふらふらと上昇するシナリオはじゅうぶんに考えられます。
 
それは米国株から足を抜く絶好のチャンスです。私自身は既にドイツ、バングラデシュ(現地株への投資になるので、口座開設準備に三ヶ月くらいかかります)、メキシコ、インド、UAE、南アの株へのシフトを終えています。
 
■現在の関税
トランプ政権があまりにも目まぐるしく関税率を変更するので、追いかけるのがタイヘンです。そこで現在の関税率をまず整理します。
 
中国製品に対する関税は145%です。
 
それ以外の
全ての国にはベースライン税率である一律10%が課せられます。但し半導体、銅、木材、薬品、金塊、そして米国にないエネルギーは10%関税から除外されます。なお半導体、薬品、銅、木材に関しては今セクター関税が検討、準備されています。近く発表されると思います。
 
市場が荒れたことで急遽90日間の延長となった
相互関税は7月10日に再導入
されます。それまでに各国は少しでも相互関税率を軽減すべくトランプ政権と交渉中です。
 
自動車ならびに自動車部品は25%のセクター関税が課せられています。
 
メキシコ、カナダはUSMCAという自由貿易協定がある関係で10%のベースライン関税すらかかりません。但しUSMCAで合意されたルールに基づかない輸入品には25%の関税がかかります。
 
なお
メキシコは表向き25%の関税がかけられていると思っている人が多いですが、実際には実効関税率は8%です。

 
鉄鋼、アルミは25%のセクター関税がかかります。
 
■マーケットの動き
急激なドル安が起きています。そこで為替差損を最小限に食い止めるため外国人投資家が米国債を処分、お金を本国へリパトリエーションする動きが出ました。
 
それは米国債が売り一色となり、本
来流動性が高いはずの米国債の流通市場の取引が円滑でなくなる
ことが起きました。投資家はそういう流動性の枯渇を嫌がります。
 
トランプ政権が相互課税を90日間延期した理由も、そのような債券市場のギクシャクした動きによります。
 
今後世界の金融機関の中から経営危機が伝えられるケースが出てくるかも知れません。米国ではプライベート・クレジットを提供しているPEファンドの経営危機が表面化するはずです。
 
投資家は伝統的な安全資産である米国債が心もとない状況になっているので、ゴールドに逃げ込んでいます。
 
そのゴールドなのですが、投資テーマが少し変わってきているように感じます。
 
以前は「ゴールドの輸入に関税がかけられるかも知れないので、それに先回りしてゴールドに投資しよう!」ということが囁かれていました。
 
その関係でニューヨークで取引されているゴールドは、ロンドンで取引されているゴールドよりかなりプレミアムが付きました。言い換えれば2つの市場間でアービトラージ、つまりサヤ取りが可能な状態が長く続いたのです。
 
ロンドンで取引されるゴールドの標準サイズは400トロイ・オンスで、これは12.5キログラムです。その図体は、ちょうどレンガくらいの大きさです。
 
ニューヨークで取引されるゴールドの標準サイズは1キログラム、スマホみたいなサイズです。
 
この関係でロンドンとニューヨークの先物市場で取引されているコントラクト・サイズも違っています。
 
従ってロンドンからニューヨークへ金の延べ棒が移送される場合、先ずスイスの精錬所にて大きな延べ棒が鋳潰され、小さなサイズに分割された後、ニューヨークに向けて空輸されます。
 
このようなリサイズ需要は普通二週間くらいで終わるのですが、今回はまるまる三ヶ月続きました。
 
過去の例で言えば、新型コロナ前、ニューヨークのCOMEXでのゴールドの在庫は860万オンスだったのですが、新型コロナでゴールドを退蔵するブームが来たとき、その在庫は3,942万オンスまで激増しました。
 
その後、危機が去ると在庫はどんどん下がり、去年の年末の時点で1,710万オンスまで下がっていた。
 
ところがトランプがひょっとするとゴールドの輸入に関税をかけるかもしれないという観測が流れるとその前に駆け込みでゴールドを輸入する動きが増え、4,000万オンスを超える水準まで在庫は増えています。
 
さて、ゴールドのトレーディングですが、価格が上昇しているので、「含みを買う!」トレードに先週あたりから注目が集まり始めています。
 
具体的には南アフリカの産金会社は確認埋蔵量は多いのですが立坑中心の企業が多く、採掘コストが高い関係で、含み資産に比べてとても割安に放置されてきました。
 
しかしゴールド価格自体が上昇すれば、もう採掘コストが少々高いことなどどうでも良く、むしろその莫大な含み資産をガッツリ買いたい!というトレーダーが増えているのです。具体的には;
 
ハーモニー(HMY)
アングロゴールドアシャンティ(AU)
ゴールドフィールズ(GFI)
 
という南アの三大老舗産金会社が値を飛ばしました。
 
■ソフトデータとハードデータ
4月11日に発表されたミシガン大学消費者センチメント指数は予想54.8に対し50.8と弱い数字でした。これはソフトデータが引き続き弱いことを印象付けました。
 
その一方で普段我々が注視している経済指標(それをハードデータと言います)は堅調です。
 
いまメガバンクが決算発表し始めているのですが、クレジットカードの焦げ付き状況にも大きな変化は無いです。むしろ関税による値上がりに先回りするため、消費は逆に増えています。
 
■銘柄
 
【銀行保険】
BBVA(BBVA)
BRAC BANK(バングラデシュ現地株)
ドイツ銀行(DB)
アリアンツ(ALIZY)
HDFC銀行(HDB)
 
【通信インターネットサービス】
ヴィーオン(VEON)
プロサス(PRX AEB=アムステルダム取引所)
コーエンサークル(CCIR)
ヤッラー(YALA)
 
【航空機製造】
ボーイング(BA)
 
【カントリーETF】
ドイツETF(EWG)
メキシコETF(EWW)
インド小型株ETF(SMIN)
チリETF(ECH)
コロンビアETF(GXG)
 
■予想
2025年末のS&P500のターゲットは5500を予想します。(不変)
 
2025年末のドル円は141円を予想します。(不変)
 
2025年末の10年債利回りは3.7%を予想します。(不変)
 
2025年末のフェデラルファンズ・レートは3.25%を予想します。(不変)
 
2025年末の失業率は4.7%を予想します。(不変)
 
2025年末の消費者物価指数は2.2%を予想します。(不変)
 
2025年末のGDPは+0.5%を予想します。(不変)