中国は人民元をデバリュエーションすることで関税のインパクトを一部吸収しようとするかも
2025年4月9日 04:13
中国は人民元をデバリュエーションすることで関税のインパクトを一部吸収しようとするかも知れません。
米中の関税戦争は、今日になって為替レートにフォーカスが移ってきています。
人民元は過去19ヶ月の安値を更新し、現在1ドル=7.41人民元で取引されています。
中国は先に米国が発表した34%の追加関税に反発し、報復関税34%をアメリカ製品に課すと発表しました。
これに激怒したトランプ大統領は更に50%の関税を上乗せすることをほのめかしています。これまでに発表された中国製品に対する関税を全部合わせると、104%の関税率ということになります。
その場合、中国の輸出産業は大打撃を受けるので、その痛みを緩和するため人民元安を演出し、中国の輸出競争力をUPすることが考えられます。
現在、人民元は管理フロート制となっており中国人民銀行(PBOC)がレファレンス・レート(CPR: central parity rate)を示し、その±2%の範囲内で動いて良いとしています。
4月8日のレファレンス・レートは7.2038でした。これは2023年9月につけた7.20という安値を初めて下回ったことになります。(=数字が大きいほど人民元安)
なお余り急激に人民元安を演出すると中国に投資している外国の資本が資本逃避を起こしてしまうリスクがあるため、ゆっくりとしたデバリュエーションを行うというのが大方の市場参加者の見方です。
PBOCが用いることが出来る為替誘導ツールとしてはCPRの他に大手銀行経由で人民元を売る方法があります。
さらに為替準備比率(FRR: forex reserve ratio)を引き上げることで人民元安を演出することも出来ます。
PBOCが人民元安を演出する場合、中国の米国財務省証券保有残高は逆にUPすることが予想されます。なぜならそれは「ドル買い、人民元売り」になるからです。
その場合、米国はドル高圧力を抑えるため金融取引税を発表するリスクがあると思います。
中国が人民元安を演出しているということが話題になればベトナム、インドネシアはプレッシャーを感じると思います。
さらに人民元安のシナリオでは鉄鉱石、銅、大豆、原油などは需要減を招く恐れがあります。それはブラジル、オーストラリア、カナダにとってマイナスです。